軽音部として
第五章軽音部として
軽音部として活動する日は週に五日ある。
因みに週に部活できる日数が六日しかないので文芸部はほとんど活動してないにも等しかったりする。
それでもしていることにはしているのでよしとしよう。
生徒会の仕事は部活が始まる前に終わらせる事が習慣となっている。
たまに思う。
この部活軽音部兼生徒会でいいんじゃね…?
しかし、これを言うと六に凄く怒られた。
「悠君!この部活は音芸生徒会なの!名前が変わっちゃうでしょ!?」
いかにもツッコミどころ満載だが一々していてはきりがない。
という事で今日も軽音部の日なのだが流石に今回は学習をしてノックをしてから入ることにした。
「コンコン(扉を叩く音)」
「どうぞー」
よかった、城石先輩だ。
フラグは回収するものでも回避するものでもない。
へし折るものだ。
と目の前に広がった光景は…
「へっ?」
「えっ、来栖…」
着替えをしている城石先輩がいた。
へし折り損ねたフラグをモノの見事に回収したわけだが何故城石先輩が着替えているのかということを冷静に説明すると制服ではやりにくいから練習着というか体操服に着替えてたらしい。
「お、俺ノックしましたよね…」
「いや、来栖は悪くない。来栖ではないと決めつけた私が悪いのよ。とりあえず後ろ向いててくれる?」
「わ、分かりました…」
初めて見た女子の着替え姿…
感想を求められると「可愛いというか綺麗」に尽きる。城石先輩だからなのかもな。
「もういいわよ」
「その…すいませんでした」
「いいのよ。来栖がノックをするとか思ってなかった私が悪いのだから。」
俺のイメージ酷いな!
城石先輩の顔がいつもより紅らめていた気がした。
「それよりチューニングしよっか」
「はい」
各々でチューニングをしているとちらほらと部員が集まってきたので合わせることにしたのだがここで俺は気づいた。
「ライブっていつやるの…?」
「悠君、そんなことすら知らなかったの?うちのバンドは夏のロックフェスとかゲリラライブや依頼のライブ、それと文化祭や体育祭のときにするんだよ」
もう、生徒会はともかく文芸部いらないんじゃないかな?
「待て、文化祭はもとい体育祭でライブするんだよ?」
「ん〜っと……余興?」
ふざけるなよ!?と思ったがこれ以上突っ込むのは野暮だろう。
「理事長に盛り上げとしてやってくれって言われたんやで」
「理事長も素っ頓狂な事考えますよね…」
「何言ってんの、私達は出させてもらえる立場なんだから感謝しないと」
「南條先輩はいいですよね、重量が少なくて走りやすs...」
「来栖、それ以上言ったらぶっ殺すわよ」
「南條先輩!!それも個性ですし貧乳にもメリットはいっぱいありますよ!!」
「あんたには悪気がないから怒れないのよね…」
千駿のナイスフォローに俺は心から賛辞を送りたい。
「まぁ、そういうわけで来週にゲリラライブをしようと思う。来栖と千駿は初ライブになるが大丈夫か?」
「「大丈夫です」」
「よし、では合わせと行こうか」
今日も俺の指に絆創膏が何重に貼られるまで引くことになった。