六であり六でない
前までの登場人物は全話参照
新しい登場人物
卯月 駁
摂影学園理事長 六の父
第二章 六であって六ではない
現在、俺の目の前にいる卯月 六の形をした奴の名前を俺は知らない。
というのもコイツは見た目こそは六なのだが中身というか魂は六ではない。
こいつは摂影学園学園長、卯月 駁による娘愛によって出来上がったアンドロイドというかヒューマノイドというか言い方が見つからないがコイツはIPS細胞とかで精密に作られた人形であるのだが記憶や身体能力、スリーサイズに至るまで六と一緒なのだ。
だから普通の人は六だと思って接する。
しかし六の死を知っていた俺からすると生き返ったとしか思えなく非常に動揺したが学園長に説明をされてようやく理解した。
そのヒューマノイド改め人形改め卯月 六もどきは卯月 六のコピーであって記憶は引き継がれてるので心理状態も六と何ら変わらないらしい。
その証拠に抱きつかれている。
抱きつかれて学園長の話を聞いている。
「六、いい加減に離してあげなさい」
「お父さん。私は悠君に引っ付きときたいんだよー」
「うむ、ならば仕方があるまい」
いや、仕方がなくないから!
娘が男に迫ってるんだから父として止めろよ!
という心でのツッコミは虚しく六もどきは更にきつく抱きついてきた。
いや、俺的には嬉しいんだけども学園長の目が…
「いい加減離れてくれないか?」
「嫌だ〜」
「六もどきのお前に抱きつかれても…」
そう、コイツは六ではない。六は死んだのだ。
だからコイツはコピーでヒューマノイドとかアンドロイドでただの六もどきなのだ。
俺はコイツを六としては接すことがまだ出来ない。
「悠貴君」
学園長の声がいつにも増して低くなっていた。
「その子は君からすると六もどきでコピーなのかもしれない。でもこれからは六と同じく…六として接してくれないか?」
「でも…」
「後生の頼みだ」
彼は頭を下げていた。
正直学園長にそこまで言われて引き下がらない奴などいないだろう。
「分かりました」
俺はそんなこんながあり承諾しこのニセモノの六を六として接することを決めたのだった。
しかし、奴に恋愛感情とか悲しみがあるかなんてそんなのは知らない。
そもそも六は好きな人なんていないって言ってたしそこら辺は大丈夫なんだが一つだけ違う事がある。
「あぁ、そうそうこの娘こうなってからやけに素直になって強情になったというか我慢を忘れたというか…いやぁ、嬉しいなぁ…」
改善点ですよね?これから成長していくんですよね!?
そんなふうに思っていたのが通じたのか理事長が放った言葉により俺は失神しそうになった。
「この子が何やってるかって私のパソコン見たら一瞬で分かるから気を付けるように」
「いや、何もしませんよ…おい、六!俺の股をまさぐりながら体を絡めてくるな!」
「えぇ〜いいじゃ〜ん」
その後俺が理事長の怒りを買ったことは言うまでもない。
前回言って無かったのでここで言わせていただきます!!
この小説の題材は「ヒューマノイドが恋を出来るのか?」という事です。
面白おかしく書くところもあればシリアスな所も入れていければと思います。
感想や誤字脱字報告等があればレビューに書くなりして教えて下さい!!
よろしくお願いします!!