再会
ふと僕は、目が覚めた。
寝起きの僕はカーテンを開けた。
僕は驚いた。
そこは昨日まで僕が居た場所とは、あまりにも違いすぎる。
というか、全く違っている。
「ここはどこなんだ?」僕は呟いた。
「やっと目が覚めたんだ。久しぶり、時雨。待ってたよ。ずっと…」
いきなり髪を一つに束ねた、背の高い少女が僕に抱きついてきた。
しかし、僕には全く見覚えはない。
「君は誰だ?僕は昨日、自室で寝て居たんだ。どうしてここに居るんだい?」僕は彼女に矢継ぎ早に質問した。
彼女は困った顔をしている。
「覚えてないの?酷いよ時雨。私達は、約束したでしょ?また遊ぼうねって。」
僕には、彼女と約束などした覚えは無い。
というか、この女の子誰?といった具合。
「はぁ。とりあえず、なんで君は僕の名前を知ってるの?あとここはどこ?」
僕はとりあえず、彼女に二つの質問を投げかけた。
すると、彼女はますます困った表情になった。
いや…困ってるのは、僕の方なんだけど。
「私は睦月。時雨とは、前に会った事あるよ。あとここは…」
と言いかけて言葉を区切った。
「ここはどこ?」僕はもう一度彼女に聞いた。
「答えられない。また時雨は何処かへ行っちゃうでしょ?私はもう時雨と離れ離れは嫌。時雨…お願い。私…これは答えたくないの。」
彼女は泣きそうな顔をしている。
僕はこれ以上聞くのをやめた。
僕は女の子の扱いなんてわからないから。
泣かれたらどうしようもなくなる。
「分かった。じゃあ、僕がここに居る理由については、今はこれ以上は聞かない。だけど、自分の中で整理がついたら話してくれ。それでいい?」僕は彼女に言った。
彼女はただ黙って頷いた。