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Undefined:The Void  作者: ロリコン
森の怪異と里の外
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episode.0

導入です。小説(ラノベ)書くの初めてで変かもしれないです

我を忘れて走った。ただひたすらに。

誰にも見つからない場所へ、逃げ込むように。

近所の道を通り、公園を駆け抜け、裏路地を通り、雑木林に入る。

さらに奥に進み続け、気づいたときには昼だと言うのに太陽の光が届かない深い森まで来た。

とっくに息は切れていて、汗は全身の穴から噴き出していた。夏だというのに、ここはいやにひんやりしている。

すると近くに小川が流れているのが見えた。水が飲みたかった。

小川の水を手ですくい、口に入れる。

この時だけは、今の状況を少し忘れられるような気がした。


これから先、どうするのか。

何故、あんなことをしてしまったのか。

自分は悪くないと言い聞かせる。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


ポチャ、と小川から魚が跳ねる音がする。

ふとそこに目を向けると、信じられないことが起こった。

「ひ、光ってる?」

そこには、ヒレやエラの隙間、体に入った線などが不気味に発光している魚がはねていた。

「あんな魚、この辺りにいたんだな...」

なんだか今日だけで色々なことが起こりすぎて気が狂いそうだ。小川の水を顔にかけて洗い、少しさっぱりした。

「にしても、結構奥まで来れたな。これで当分は見つからないだろ。」

ふぅ、と安堵の息をつく。

のも束の間、小川の向こう岸の茂みからガサガサ、と音が聞こえる。

「もうここまで来たのか?」

警戒心を高める。

また茂みがガサガサ動き、茂みの中から音を鳴らしていた本人が現れる。

「え―――」

絶句した。

そこには季節に合わず、頭から腰までの長さのフード付きローブをした薄い緑髪の人間がいたのだ。

目が合った。確実に。

その人間。いや、彼女は黄色い目で、驚くほど整った容姿に、白い肌。どう考えてもおかしかった。

夏の昼間、森の奥深くで暑そうなローブを身に着けた美少女なんているのだろうか。いや、いない。

すると、

「こんにちは。珍しい格好だなぁ。なんでこんな夜中にこの森へ?」

話しかけてきた。まず珍しい格好をしてるのはあなたで、今は夜でなく昼だということ。突っ込みたい気持ちを抑える。

「あれ、聞こえてる?」

少し警戒しながら返事を返す。

「ええ、すみません。聞こえてますよ。こんにちは。」

「なんだ、喋れるのね。ところであんたは誰でどっからきたの?」

今までとは打ってかわり、警戒、いや威嚇するように強く放たれる。

その威圧に少し気圧されながら、応答する。

「ええと、この森の入り口?っていうか街や雑木林があるじゃないですか。そこから来ました。」

すると彼女は困惑したような顔をする。

「あんた、何言ってるの?あんたが来た方角、めちゃくちゃ深い森よ?まず街っていうか人里一つこのあたりにあるわけないし。しかも、森を抜けても砂浜と海があるだけよ。本当のことを言って?もしかして嘘つかなきゃいけない事情でもあるの?」

より一層警戒が強まった気がした。

本当のことを言っているんだが...

「いや、本当ですよ?嘘なんてついてないです。」

実際そのとおりだ。街があり、少しの間雑木林があり、山がある。そもそも俺は別に足が早いわけでも体力があるわけでもないから、そんなに走ることができるわけない。しかも俺が住んでいた場所は海無し県だ。

「そう。じゃあそこから一歩も動かないで。自分の素性を明かさない人間を私たちの里には入れられない。」

明確な殺意。あの時と―――

冷や汗が出る。両手を挙げた。敵意はない、と示すため。

彼女の眉間にしわが寄る。より一層警戒されてる気がする。何故だ...?

「動かないでって言ってるのに、攻撃態勢を取るのね?いい度胸だわ。」

そんなつもりはない、とすぐ反論しようとする。

「そ、そんなつも...は?」

自分の口からほうけた音が出る。何故なら。

「良いわ。その喧嘩、買ってあげる。」

彼女が、光る大きな弓矢を持っていたからだ。

厳密に言うと、矢を弦に押さえつけてるわけでもないのに矢は後ろに引かれ、弓矢は神々しく光りながら空中で浮かんでいる。意味がわからない。

「な、なんだよ...それ...」

理解できない。その瞬間、矢が髪を掠って後ろの木に突き刺さった。木が音を立てて倒れる。たった1本の矢で。

「次は当てる。死にたくなかったら早く本当のことをいいなさい。」

何故...

ハッとする。もしかして手を挙げたのがいけなかったか?そう思い、手を下ろして頭を下げる。

「す、すみません。今のポーズは僕の住んでいたところでは降参、とか敵意はないっていう意味なんです。」

焦りゆえに所々声が裏返ったり、早口になっていた。

「.....そうなの?でも、そんな文化聞いたことないけど。

良く見ると、あんた魔力もほとんど感じないわね。」

少し警戒が解かれた気がして、ホッとする。だが新たな疑問点が生まれる。魔力。

「ま、魔力?ってなんですか?それとさっきの浮いてる弓矢とか。」

チラ、と顔を上げる。弓矢は依然として顕現してたが、殺意を感じなかった。

「私の方こそ聞きたいことがたくさんあるわ。まずその服は何?あと、どうして嘘をつくの?私たちエルフ族に森のことで嘘ついてバレないと思ったわけ?」

「は、?エルフ?」

理解できない。まただ。

何処かおかしいとは思っていた。見たこともない光る魚に、季節や時間帯に合わない服の美少女。さらには緑に光り浮遊する弓矢に、木を1本でなぎ倒す威力。しかもエルフ族と来た。他にも色々と疑問点があるが、間違いなく一つ言える。

「ここって...俺の知ってる世界、じゃない?」

その声が彼女にも聞こえたらしく、

「何言ってるの?違う世界から来たって言いたいわけ?」

確信はないが、ほぼそうだろう。現実...いや、俺の知ってる世界じゃあんなことは不可能だったから。

「ああ...多分そうです。」

2人の間に長い沈黙が訪れる。

「ふーん.....はぁ、仕方ないわ。着いてきて。」

急に意見が変わった。彼女自身もなんだか嫌そうな雰囲気だがついていく。あんなの見せられて歯向かうバカはいないだろう。

「はい。」

完全に警戒を解いてるわけではない。いつでも振り返って防御できるようにしてるのか、緊張感がある。

「何処に...向かってるんです?」

恐る恐る聞く。

「何処って、そりゃあエルフの里よ。里長に伝えるの。」

「その...正直言って魔法とかエルフとか信じられないんですけど、まるでファンタジーライトノベルみたいな...」

その言葉を聞き、また困惑したような顔をする。

「ふぁんたじーらいとのべる?

聞いたことすらない。」

まあ、当たり前だろう。いやもしかしたらこの世界にもファンタジーライトノベルがあるかもしれないか。だが聞いたことがないのならないんだろう。

やっぱり、異世界転移で間違い無いだろう...


もう歩き始めて30分ほど経った。先程の会話からは一回も言葉を交わさず、微妙な空気感のまま歩いていた。

「その...里っていうのは後どのぐらいで着くんですか?」

彼女が振り返りもせず前を指差す。

「ほら、あそこだよ。見えるでしょ?」

そう言われ、奥に目を向けた。

そこには、藁を屋根にした住宅のようなものや、地面に植物を引いて物を置いてある露天のような物、歩き回る人々、子供達。まさしく里そのものだった。また、歩き回る人々や子供の肌は緑がかっており、耳の先が尖っていた。俺が知っているエルフと同じだった。


そして、一番奥には他の建物よりも大きく、威圧的な住居のような物。

「わぁ、ほんとにあったんですね...」

「当たり前でしょ?ほら、早くきなさい。」

里に入り、奥に進む。誰も声をかけてこないが普通なのだろうか。

そして、彼女はあの大きな住居の前で立ち止まった。

「....ここが、里長の家よ。入るわよ。」

やはりそうだった。

彼女がドアをノックする。

中から低い声が聞こえた。

「入れ。」

彼女がドアを開け、中にはいる。俺もその後に続く。

そこにいたのは、一際大きい椅子に座るエルフの男。白髪で老人にみえはしないが、いかにも長という顔つきだった。

彼女が頭を下げ、お辞儀する。頭を上げる。

「それで?なんの用だ。フェリシエル。」

今更知ったが、彼女はフェリシエルという名らしい。聞く機会がなかったから仕方がなかった。

「先刻、ノクティブルームのルミナ川周辺で発見した人間です。魔力も何もなく、そもそも魔法の存在すら知らない様子でしたので、危険性はないと判断して保護してまいりました。」

落ち着いた様子で話す。こんな話し方もできたのか...

「そうか。人間...お前、ふざけているのか?」

里長の声が怒りに震えているのがわかる。

「人間は我らエルフや妖精の亜人種を踏み躙り、差別し、追いやった生物だぞ。やはりお前を信用はできない。ハーフエルフの分際で、里に置いてやってるだけで感謝すればいいものを。」

彼女...フェリシエルはまた頭を下げた。よく見ると顔が強張っていた。悔しそうに歯を食いしばっている。

「......すみません。」

俺のせいだ。俺がこの世界に来て、ついてきたせいでこんなことになった。

今になったらあの時の嫌そうな雰囲気の理由もわかった。こうなることがわかっていたからだろう。

わかっていながら、俺を連れてきた。一度は命の危機にさらされたが、結局は助けてくれていたのか。

「はぁ。もういい。処刑だ。ヴァルセル。こやつらを捉え、広場に縛り付けて処刑しろ。」

壁に背筋を伸ばして経っていた一人のエルフの男が返事をする。

「御意」

処刑...?殺される?

「やっ...」

やめてください。お願いします。そう懇願しようとした。だが、ヴァルセルのその冷徹な目。軽蔑するような冷ややかな視線で突き刺され、口が閉じてしまった。抵抗しようとしたがすぐ魔法か何かで縛られ、身動きが取れなくなってしまった。

「待ってください!!」

「なんでもします。なんでもするので、私たちを殺さないでください。」

目を見開いた。彼女が土下座しながらそう言った。

「.......なんでも、か。」

「良い。拘束を外せ。」

「御意」

身が軽くなる感覚がした。すぐ後ろに扉がある。でも逃げ出さない。どうせ逃げ出しても捕まるだろうから。いや、そんなことする勇気は俺にはなかった。

「では一つ条件をつけよう。それが明日のこの時間までにできたのなら生かしてやる。」

唾を飲み込んだ。いったいどんな条件なのか。

「簡単だ。ナイトグレアを討伐しろ。」

ナイトグレア?なんだそれは。フェリシエルの顔を見た。

目が見開き、冷や汗をかいていた。

「待って、待ってください!なんでもするとは言いましたが、ナイトグレアなんて...!」

里長は軽蔑するように一瞥し、

「そうか。なら処刑するしかないが?」

顔を引き攣らせ、また悔しそうに歯を食いしばる。

「おい、お前はどうだ?やるのか?」

「は、はい...もちろんやります!」

食い気味に答えた。ナイトグレアが何かは知らないが、死ぬよりはマシなはずだ。



初めてこういうのかいた。マジで普段生活してて厨二病しゅぎてこういうバカ妄想ばっか浮かんじゃうから消費できて嬉しい。多分誰も見てないけどこういうの楽しい

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