表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

2話『ステータスオープン』

2話目も読んで頂けてありがとうございます。

「うー!」「あー!」(アーサーじゃないんかーーい!!!)


必死に抗議するも、口から出るのは情けない赤ん坊の声ばかり。

てっきりアーサーという名前で生まれると思っていたが……まさかの“赤ん坊スタート”らしい。


創造神(かみさま)……許すまじ。


「ふふ、どうしたの? そんなに難しい顔をして……アレスの大好きなお母様ですよ?」


見上げた先にいたのは、銀白の髪をたなびかせて微笑む一人の女性だった。

柔らかな光に包まれたその姿は、まるで絵画のように完璧で──


……おかん、美人すぎるんだが。

なにこの人、女神?


「あら? どうしたの、アレス? もしかしてお腹が空いたのかしら? 少し待っててね」


その瞬間、オレの脳内にとんでもない未来予想図が浮かんだ。

……え、ちょ、マジで? 今からおっぱい飲む流れ!?


紳士的にアリなのか? いや、ナシだろ……たぶん。


だがその葛藤も束の間、母親が差し出したのは──哺乳瓶だった。


「ほら、アレス。たくさん飲んで、またお昼寝しましょうね」


「うー!」「あー!」(チチ出さんかーい!)


納得できないまま哺乳瓶を吸う。

飲み干して背中をトントンされると、心地よいゲップと共に強烈な睡魔が襲ってきた。


「よく飲みましたね、アレス。お母様はあなたが元気でいてくれることが、一番の幸せです」


その優しい声に、さっきまでの邪念が霧のように消え、そのまま深い眠りの世界へと落ちた。


「ふふふ、可愛い寝顔ねアレス……。貴方はきっとこの世界の希望へとなるはずよ……。」


そう言って母親であるセレスティーナはアレスのおでこにそっと口付けをした。


こうして、第二の人生が本格的に始まったのだった。


◇ ◇ ◇


次に目を覚ますと、部屋には陽の光が差し込んでいた。


……ふぁぁ、よく寝た。

満腹になってすぐに眠れるこの快適さ。これぞ赤ん坊特権だなと感心しながら、ふと違和感を覚えた。


……なにか、こう、尻が不快だ。じんわりと、あたたかくて……。


……まさか。

マジか……四十年も生きてきて初めてだぞ、こんなの……!


そう……ワシ、うんこ漏らしとる!!


羞恥で顔が熱くなるが、今のオレにできることはただひとつ。


「オギャー!!」「オギャー!!」


本気のギャン泣きである。


「アレス様〜? どうかなさいましたか〜?」


すぐに部屋の扉が開き、小柄なメイドが小走りで駆け寄ってきた。

金髪碧眼、身長百五十センチほどの小柄な体格。だが、やたらと目を引く。何がとは言わんがとにかく破壊力がすごい。


「あー!」「うー!」(メイドが美人で巨乳な件について)


「……ああ、オムツが濡れてしまったのですね。すぐに替えて差し上げますからね〜」


うわあああ……言わんでくれ……。

美少女に処理されるとか、どんな羞恥プレイだよ!


メイドさんは手際よく交換を済ませると、ニコッと笑った。


「はい、綺麗になりましたよ〜。うふふっ、アレス様はやっぱり天使みたいに可愛いですね」


……すっきりしたのはオムツの中身であって、オレの心は死にそうだ。


「もうすぐアレス様の大好きなお母様がいらっしゃいますからね〜」


お、ミルクの時間か。

今度こそ直母じかぼの可能性に期待したいところだが……。


パタン。


「アレス、良い子にしてましたか?」


「あー!」「あー!」(マンママンマーーー!!)


体が勝手に反応してしまう。赤ん坊の本能、恐るべし。


「あら……お母様が来て、そんなに嬉しいの?……ふふ、アレスは本当に愛らしい子ね」


まぁ結論から言うとおっぱい飲めた。


「あー!」「うー!」(飲めるんかーーーい!!!!!!)


◇ ◇ ◇


おっぱいタイム、通称“バブバブタイム”を終え、若干眠気が差してきた……が。

ここで寝るわけにはいかん!


創造神かみさまが言っていた「この世界は命が軽い」という言葉。

あれがどうしても引っかかる。

まずは自分の現状を把握しなくては。


よし、いくぞ……!


「うー」「あー」(ステータスオープン)


────────────────────────

【名前】アレス・フォン・ヴァレンタイン

【種族】半神デミゴッド

【職業】赤ん坊/辺境伯嫡男

────────────────────────

【年齢】0歳(3ヶ月)

【レベル】1

【加護】創造神、地母神


【スキル】

・鑑定

・アイテムボックス


【EXスキル】

・インターネット

・言語理解

・神威降臨(※未解放)


【称号】

・転生者

・神の使徒

────────────────────────


おお……本当に見えた。完全にステータス画面だ。

職業「辺境伯嫡男」。高位貴族スタートか、悪く無い。


【鑑定】【アイテムボックス】【言語理解】……所謂(いわゆる)初心者キットだな。


……ここまではいい。


【種族】:デミゴッド(半神)


これはアウトだろ……。人間じゃないじゃん。


おまけに【加護】も創造神に地母神……豪華すぎだろ! たぶん地母神様が例のナルシストな女神様だな。気合い入れ過ぎだって!


……これ、誰かに見られたら大変なことになるんじゃないか?

何この「爆弾抱えた赤ちゃん」状態。


……なるほど、ステータスはタップで隠蔽できるのか。

よし、【称号:転生者】【神の使徒】は即刻OFF。

怪しげな【加護】もOFF。

未解放の謎スキル【神威降臨】もOFF。

念には念を入れて、便利すぎるチートスキルも全部OFFだ。


隠蔽完了後のステータスがこちら。


────────────────────────

【名前】アレス・フォン・ヴァレンタイン

【種族】人間

【職業】赤ん坊/辺境伯嫡男

────────────────────────

【レベル】1

────────────────────────


完っ璧だ。

これならどう見てもただの貴族の赤ちゃん。中身四十代の元社畜だけど。


さて、ついでに先ほどのメイドも確認しておくか。


《スキル起動──【鑑定】。対象、メイド。》


────────────────────────

【名前】フィオナ・ブランシュ(17歳)

【種族】人間

【職業】メイド

────────────────────────

【レベル】36

【称号】小さな守護者


【スキル】

<魔法系>

・水魔法(中級)

・火土風魔法(下級)

・生活魔法

・治癒魔法 他


<家事系>

・完璧掃除術

・魔力漂白

・シワ取り一閃

・高速たたみ

・料理:上級

・毒見

・匂い判別

・裁縫自動化 他多数

────────────────────────


……へえ、名前はフィオナか。

って、情報多すぎない!?


特に家事スキル。「シワ取り一閃」って何だよ。

オレが知りたいのは戦力だ。集中して……戦闘スキルのみ表示!


────────────────────────

【名前】フィオナ・ブランシュ

【種族】人間

【職業】メイド

────────────────────────

【レベル】36

【属性】水

【称号】小さな守護者


【スキル】

<魔法系>

・魔力感知 ・魔力操作

・魔力循環 ・詠唱術

・水魔法(中級)

・火土風魔法(下級)

・生活魔法 ・治癒魔法

・結界魔法


<身体系>

・暗器術:中

・状態異常耐性:中


【EXスキル】

なし

────────────────────────


……ふむ、スッキリした。

メイドでこのステータスか。優秀な気がするけど比べる相手が居ないからわからないな。


「アレス様、今日も素敵な夢を見てくださいね〜」


フィオナは優しく囁き、オレのブランケットを整えて部屋を出ていった。


……フィオナ、本当に良い子すぎる。

可愛くて、気立ても良い、そして何より巨乳だ。

創造神(かみさま)ありがとう。


こんないい子に見捨てられないよう、こっちも頑張らないとな。


――まずは、この世界のことをもっと知らなきゃ。

そのためにも、スキル《インターネット》を起動だ。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

第2話、いかがでしたでしょうか?

「面白そう!」「また読んでやるよ」と思っていただけたら、ページ下の【☆☆☆☆☆】から評価ポイントを入れていただけると、執筆のモチベーションになります!


ブックマーク登録もぜひよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ