B神社からC駅へー2
コンビニから出ると、圭が既にホットスナック類を食べ終えてしまっていた。
さすが、早い。
感心して見ていると、圭から「なに?」と尋ねられた。
「いや、早いな、と思って」
「あったかいもんはあったかいうちに食べないと、失礼だろ」
まあ、それは確かにそうなんだけれども。
納得しつつ買ったおにぎりのパッケージを開けていると、ノコノコさんが「残念でしたねぇ」と言いながら、レインさんと出てきた。
「それ、お目当てじゃないんでしょう?」
「いや、でもこれも欲しいと言えば欲しかったんで」
何の話だろうと小首を傾げていると、私達の目線に気付いたノコノコさんが「ああ」と言って笑う。
「くじですよ、くじ。レインさんがお目当てのくじがあったらしくて、一回だけひいたんです」
「一番欲しかった奴じゃないけど、二番目か三番目くらいには欲しかった奴なんで、いいんですって」
そういえば、最近はコンビニや書店にくじが置いてある。一回の値段がなかなか高額だが、上位三つくらいがかなり豪華だ。
懐かしいゲームやアニメ、キャラクターものを見たことがある。
「結構、くじはひかれるんですか?」
「好きなものだと、つい一回はひいちゃうんですよね。どれが当たっても嬉しいものしか、ひかないようにはしているんですけれど」
レインさんはそう言いながら、先程引いたくじの景品を見せてくれた。
可愛らしいクマが笑っている絵が描かれたタオルだ。
「これ、E賞なんですけど。B賞が当たると一番でしたね」
「B賞は、なんだったんですか?」
「クッションです。全員集合の絵だったんで、ちょっと惹かれましたけど……このベンザイクマーが一番好きなので、これはこれで」
七福神クマーというキャラクターらしい。その名の通り、七福神をテーマに七種類のクマがいるのだそうだ。
よく見ると、コンビニに「七福神クマーくじ」のポスターが貼ってある。
七色のクマが、可愛らしく描かれている。
そのカラフルさに、ちょっとだけ目が痛いけれども。
「そういえば前回のオフ会の時、帰りにくじを引いて帰るって言ってませんでしたっけ?」
ノコノコさんがサンドイッチの袋を開けつつ尋ねると、レインさんが「あ!」と少し大きな声を出した。
「そうそう。あの時、一番欲しかったA賞が当たったんですよ! 一回しかひいてないのに、一発で当てたの初めてで」
「うわー、おめでとうございます! 良かったですねぇ」
「そうなんですよ、ご利益があったのかな? って。参拝してないですけど」
レインさんとノコノコさんが、話しながら笑いあう。
くじでこれだけ盛り上がれるのだから、私もちょっと引いてみたくなる。
ただし、厄付という体質上、先に圭に厄を喰らってもらってから引いた方がいいかもしれない。
ちょっとした不幸を引き寄せてしまうみたいだから。
「ふうん」
サンドイッチを飲み込みつつ、圭が感心したように呟いた。圭も、くじを引きたくなってきたのかもしれない。
「とりあえず、向かいましょうか。前と同じように」
注目されているのに気づいたのか、レインさんがそう言って私達を促した。
オフ会と同じような行動をしなければいけないのだから、ここで時間を費やすのは少し違ってしまう。
「くじ、か」
ぽつり、と圭が呟いた。
圭も、七福神クマーが気になったのだろうか。帰りに、一度くらいひいてもいいかもしれない。
もちろん、厄を喰らってもらってから。




