2/11
正しき衒影
僕は目次を書いている
目的というのは実に楽しい
書いているだけで今後の構想が広がるし、完成したのを眺めるだけで世界観が頭の中に入り込む
まずは第一章からだ
ここでは偽衒学のおおまかな説明をする
偽衒学、偽りの衒学
学識をひけらかす傲慢な人間を衒学者と言うらしい
偽りをひけらかし謙虚に見下す人間を偽衒学者と呼ぼう、そして定義された最初の偽衒学者になろう
書きながら盛り上がっていると母の呼ぶ声がした
外はもう夜だ、ずいぶん時間が経っていたらしい
リビングにいく途中、ノイズの走った背の高い影がこちらを覗いて廊下に立っている