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シェリアとの再会

「よし!盾ができたぞ!」


 ファンク達は鍛冶屋に行き、ガインによって盾をパワーアップしてもらった。見た目も変わっていて、ファンクは盾をすぐに構える。


「ありがとうございます!」

「気にするなよ。で、嬢ちゃん達の武器を見せてくれないか?」

「はい。こちらです!」


 椿は刀、アリアは弓矢、エリンはロッドをガインに見せる。


「すぐに終わるぜ!」


 ガインは素早く椿達の武器をパワーアップさせ、彼女達は感触を確かめる。


「ありがとうございます!」

「こちらが代金です!」

「あいよ!そうそう。お前達がギルドにいる間、大変な騒ぎがあったんだよ」

「大変な騒ぎ?」


 ガインの話にファンク達は疑問に感じるが、ガインはその内容を話し始める。



「シェリアが勇者パーティーから自ら脱退したそうだ」

「「「ええっ!?」」」



 ガインからの衝撃の真実にファンク達は驚きを隠せずにいた。あの魔術の天才であるシェリアが勇者パーティーから自ら抜けるなんて有り得ないのだ。


「シェリアが自らパーティーを抜けるなんて……なんでそんな決意を……?」

「どうやら勇者パーティーのやり方に耐えきれなくなっただろう。バリウスを殴り飛ばし、ボルスを投げ飛ばして去ったそうだ」

「あいつ、格闘技もできるとは驚いたな……」


 ガインの話にファンクは冷や汗を流しながら唖然とする。シェリアが魔術しかないとおもったら、格闘技まで出来ていたのは有り得なかったからだろう。


「まあ、彼等については自業自得だ。シェリアは自ら決意をした以上、チョンボ爺さんの格闘道場で修行をしている。会いに行って彼女を仲間にさせてやれよ」

「そうですね……では、格闘道場に向かいます!」


 ガインのアドバイスにファンクは頷き、アミ達と共に格闘道場へと向かい出した。



「はっ!」

「ぐへっ!」

「そりゃっ!」

「カハラ!」


 格闘道場ではシェリアが次々と襲い掛かる門下生達を倒し、最後の一人に視線を移す。


「そりゃっ!」

「フッ!」


 シェリアは門下生の攻撃を回避し、強烈なアッパーで見事倒した。


「よし!これで全部!」


 シェリアが手を叩いた直後、チョンボが彼女の元に駆け付ける。


「ほう!無傷のまま倒すとは見事じゃ!これでお前さんは格闘術を完璧にマスターし、魔術格闘戦士になったぞ!」

「ありがとうございます!」


 シェリアが一礼をしたその時、道場に誰かが入ってくる。


「すいません!誰かいませんか!」

「この声……ファンクだ!」


 シェリアは声の主がすぐに分かり、入った者達の元へと駆け付けてきた。


「久し振り、ファンク!」

「もしかして……シェリアなのか!?」


 ファンクはシェリアの変わった姿に驚きを隠せず、アミ達もキョトンとする。


「ええ!勇者パーティー辞めてきたからね!一からやり直す為にこの道場で修行しているの!」

「そうだったのか……にしても、シェリアがここまで改心するとは……」

「えへへ……」


 シェリアが笑顔を見せたその時、チョンボが彼等の前に姿を現す。


「此奴は多くの門下生を次々と倒し、格闘技術を見事取得した。彼女は魔術格闘戦士となった!」

「となると、後はギルドに申請して入門試験を受けるだけか……すぐにギルドに伝えないと!」


 チョンボの話にファンクは納得してギルドに報告しようとするが、シェリアが待ったをかける。


「その事だけど、もう入門試験も出ているからね。この道場はそう言う事も担当しているの」

「で、試験内容は?」

「ゴブリン討伐。折角だから皆で行きましょう!」

「そうだな。7人で行くとするか!」


 シェリアの提案にファンクやアミ達は同意し、そのまま彼女の入門試験の場所に向かい出した。



 入門試験の場所に着いたファンク達は、ゴブリンがいないか確認していた。


「確かこの辺りに……」

「あっ、いた!」


 アミが指差す方を見ると、ゴブリン達が一斉に姿を現した。


「行くわよ!」


 シェリアは駆け出したと同時に、格闘と魔術を使いながら次々とゴブリンを倒しまくり、僅か一分で全て倒し終えてしまった。


「余裕でクリアするなんて……」

「凄い……」

「このくらい朝飯前だからね!」


 椿達はポカンとしてしまい、シェリアはVサインで応える。


「シェリアも無事に入門試験をクリアしたし、これで7人で行動できるな」

「もしかすると私達って最強じゃないのかな?」

「まさかね。下手したらバリウスよりも強いし、ファンクが勇者になる事もありかも知れないわ!」

「えっ!?俺が!?」


 シェリアの提案にファンクは驚きを隠せずにいた。


「そう。あなたがパンダになってから、実力も上がっていたからね。だからこそ、勇者になれたら真の救世主になれると思うわ!」

「そうだな……その事については後で考えるとして、取り敢えずはチョンボさんに報告だな」

「ええ!」


 ファンク達はすぐにチョンボのいる道場へと戻り始めた。



「ふむ!合格じゃ!これでシェリアはギルドの一員じゃ!」

「ありがとうございます!」


 チョンボの道場では彼がシェリアのギルド入門を認め、彼女は一礼する。


「さて、お主達はこれからどうするつもりじゃ?」

「ヘルプレーダの高原に家を建ててくれましたので、今後はそこで生活します」

「おお。確かそこなら見晴らしも良いし、畑を開拓するのもありだと思うぞ。そこでスローライフもありじゃからな」

「スローライフか……まずはそこからだな!」


 ファンク達はお互い頷き合ったと同時に、ヘルプレーダの高原へと向かい出した。



「取り敢えず着いたけど……大き過ぎないか?」


 ファンク達はヘルプレーダの高原にある家に辿り着く。普通の家である事は間違いないが、大きい家である事に唖然とするしかなかった。


「しょうがないわよ。人数が多いし、私、ファンク、アミ、フローラ、椿、アリア、エリン。そしてスライムのマリスもいるからね」

「うん。僕はこの家気に入ったから」


 アミに抱かれているマリスは、家を見ながら喋っていた。


「お前、喋れるのか!?」

「うん。大体のモンスターはね。それよりも早速中に入ろうよ!」

「せっかちだな……まあ良いか……」


 マリスの提案にファンクは渋々しながらも了承し、皆は家の中に入り始めた。



「おお!中は凄く綺麗で見事だな!」


 ファンク達は家の中に入ると、そこはとても綺麗な空間となっていて、2階建てとなっていたのだ。


「こんなに広い家に住めるなんて、本当に幸せ!」

「そうだね。これからはゆっくりと過ごせるし、冒険の疲れも癒せそうだし」


 アミとフローラは笑顔で部屋を見渡しながら、これからの未来に期待を寄せ始める。


「あそこにはキッチンもあるわ!しかも、調理器具まである!」

「露天風呂まで用意されている!入りたくなるわね」


 アリアはキッチンを見渡し、エリンは風呂場を見ながら楽しんでいた。


「ベッドやソファなども用意されているみたいだけど、後は必要な家具も揃えないとね」

「ええ。私は図書室もあればいいと思います!本を読んだり勉強したりするのが好きですので」


 シェリアのアイデアに椿も頷いて意見を述べる。自分達の家ができた事で、嬉しさが百倍となっているのだ。


「まあ、色々家具の配置は大変だが、みんなで協力すればきっと素敵な空間になるからな」

「そうね。一つ一つ丁寧に考えて、自分たちの理想の家を作り上げましょう!」

「これからはここを拠点に、新しい冒険や仲間との出会いを楽しみつつ、色々頑張っていかないとね!」

「そうだな。よし!幸い食料品もあるし、今日は皆で料理して楽しむか!」

「「「賛成!」」」


 ファンクの提案にアミ達は一斉に応え、彼等はすぐに夕食作りに取り組み始めた。

新しい家を手に入れてシェリアとも再会したファンク達。


彼等の物語はこれからです!

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