偽りの勇者
今回はバリウスの真の正体が明かされます。
「僕が勇者じゃない……巫山戯るな!」
ファンクからの指摘にバリウスは激昂し、怒りの表情で彼を睨みつける。追放した彼からの指摘を受けるのは屈辱的で、今の言葉はあり得ないと判断していた。
「僕は聖王教会から勇者として認められた!なのに勇者じゃないってどういう事だ!」
「それはうちのお祖父ちゃんから聞かせてもらったの」
バリウスの叫びにシェリアが前に出たと同時に、彼を強く睨みつける。
「あれは先日の事……お祖父ちゃんは聖王教会に赴いて、何故バリウスが勇者になったのかを質問したの。お祖父ちゃんはあなたの事をクソ勇者と認識しているからね」
「クソ勇者……ブッ……」
「ガッハッハ!クソ勇者とは凄いあだ名だな!」
シェリアの説明にボルスは吹いてしまい、オットーはガハハと笑っていた。
「笑うな!ともかく、僕は教会から認められて……」
「いいえ。あの事についてだけど……教会によって仕組まれていたのよ」
「な、何!?」
シェリアからの説明にバリウスは驚きを隠せず、彼女は更に説明を続けていく。
「もともとあの教会は自分達の勇者を持っていなかった。だからこそ、魔族に対抗する為に勇者候補を探していた。そこで目をつけたのがアンタなの」
「へ?じゃあ……バリウスは元はといえば勇者じゃなかったの!?」
「そうよ。まあ、誰でも最初から勇者じゃなかったからね。そこで教皇は自身の魔術であなたを勇者として仕立て上げた。自身の勇者として魔族を倒すだけでなく、教会の名誉を守る為にね!」
シェリアからの真実を聞いたバリウスは、呆然と膝から崩れ落ちてしまい、項垂れてしまう。
「じ、じゃあ……僕がしてきた事は……」
「全て無駄なのよ。お祖父ちゃんはその事に怒り、教会を解散させた。教皇や関係者達は兵士達によって連行され、今頃牢獄の中に入っている。もう、あなたの後ろ盾は無くなってしまった以上、逮捕されるのも時間の問題ね」
シェリアからの指摘にバリウスはワナワナと震えてしまい、すぐに立ち上がり始める。
「僕は勇者だ……認められた以上、止まる理由はない……こんなの嘘だ、絶対に嘘だ!」
バリウスは自ら怒りを爆発してしまい、剣を構えてシェリアに襲い掛かる。
しかし、ファンクが盾を構えて前に出て、バリウスの攻撃を弾き飛ばしつつ、強烈なパンチで殴り飛ばした。
「ぐほ……」
パンチを顔面に喰らってしまったバリウスは吹き飛んでしまい、地面に背中を打ち付けてしまう。
「おのれ……こうなったらお前を殺してやる!後の事は知るか!」
バリウスはついに殺気を全開にしてしまい、ファンクを殺そうと勢いよく睨みつけていた。
「どうやらこの戦い……覚悟を決めて戦うしかないな。バリウス……お前との因縁を終わらせてやる!」
ファンクも剣を引き抜いて戦闘態勢に入り、バリウスとの最後の戦いに挑み始めた。
次回はバリウスとの戦い!その結末を見逃すな!




