畑の開拓
今回は畑の開拓です!
勇者との戦いから2日後、勇気の盾をファンクが手に入れた事は世界中に広まっていた。
おまけにバリウスがファンクに負けるという噂も広まっている為、その記事を見ていたファンクは苦笑いしていた。
「……まあ、なんというか……良かったのかな?」
「良いの良いの。あいつにはいい薬だから」
「そうかな?」
アミが記事の内容に頷くが、ファンクはまだに疑問に感じていた。
「まあ、それよりも早速土を耕しましょう!今日は畑の開拓だから!」
「そう言えばそうだったな。ところで……種はまともな物はあるよな?」
「あるにはあるけど……」
アミは種入の箱を持ってきて、その中身を見せる。
「ラディッシュ、レタス、キャベツ、サツマイモ、ニンニク、タマネギ、ジャガイモ、ニンジン、トウモロコシ。まあ、順当だが、果物はあるのか?」
「スイカとメロン、後は柿も植えるから」
「柿か。しかし、成長するには8年かかるぞ」
ファンクは中身がまともなのを確認するが、柿は8年かかる事をアミに教える。
桃や栗は木になるのに3年掛かり、柿は8年かかる。つまり、長い間待たなくてはならないのだ。
「心配無用!エリンとシェリアに頼み込んでいるから!」
「エリンとシェリア?一体何をするつもりだ?」
「まあ、見てなさいって」
疑問に感じるファンクにアミはウインクで返した後、すぐに家の外にある畑の方へ向かい出した。
(なーんか嫌な予感しかしないな……)
ファンクは心の中で思いながら、すぐにアミの後を追いかけ始めた。
※
「よし!全員揃ったわね!」
畑の前ではアミが全員揃っているかを確認しつつ、開拓の説明をしていた。
「今回の開拓は3箇所。果物、野菜、その他の範囲で種を植えるわよ!明日になればすぐに収穫できるから!」
「ちょっと待て!野菜や果物も時間が掛かる……ああ、シェリアとエリンがいるから大丈夫とは思うが……」
アミの宣言にファンクはツッコミを入れるが、シェリアとエリンに視線を移しながら納得する。
「あと、私も植物の成長魔術を得意としているから。私もサポートするわ」
「アリアも手伝うの?助かるわ」
アリアの説明にアミは喜び、すぐに皆に視線を移す。
「さあ、やるからには開拓するわよ!急いで始めましょう!」
アミ達は素早く作業に取り掛かり、ファンクは鍬を持って土を耕し始める。
(まあ、順調に作業してくれれば良いんだけどな……)
ファンクは心の中で思いながら土を耕し、素早く作業を進めていく。
「土については肥料とか必要になるからな!用意はしているのか?」
「自然の肥料を用意しているから!それで上手く成長できるわ!」
「分かった!(まあ、肥料については問題ないな……)」
ファンクは心の中で安堵しながらも作業を進めるが、この時はまだ馬鹿げた結末になる事を知らなかった。
※
畑を耕した事で、シェリアが魔術で土の中に肥料を埋めた後、次々と種を撒き始める。するとファンクがとある種を見つける。
それは骨付き肉、お菓子の種であり、これを見たファンクは呆然としてしまう。
「おい。なんだこの種は?こんな種があるのか?」
ファンクはアミに質問するが、彼女はすぐに彼から種を取って植えてしまった。
「おい!人が話している時に植える馬鹿が何処にいるんだ!」
「別に良いじゃん。早く植えれば後が楽だから」
「後が楽でもお菓子を作物として収穫する世界は何処もないぞ!」
アミの説明にファンクがツッコむ中、フローラがある事を思いつく。
「そう言えば、とある世界ではお菓子を作物として収穫している世界があったわ。肉は流石にないけど」
「あるのかよ!つーかお菓子を作物として栽培している時点でおかしいだろ!」
「まあまあ。早く植えればこっちの物!エリン、シェリア、アリア!早くやって!」
アミの合図でエリン達は一斉に魔術を唱え始める。
「「「大地よ。私達に恵みの力を与え給え。アースマジック!」」」
三人の魔術で畑が光り輝き、そのまま芽が次々と出てきた。
「おお!早く芽が出ましたね」
「次は弱そうなのや駄目な芽を引っこ抜いておかないと」
アミ達は素早く弱そうな芽や駄目な芽を次々と引っこ抜き、残った植物の芽が次々と成長していく。
「なあ、これって普通早くこんなにはならないだろ?」
「魔術を加えたのは分かるけど……これなら明日はできる筈なのに……」
アミが考えたその時、椿がある事を思い出す。
「そう言えば……先程肥料に少し薬品を加えました」
「何の薬品を加えたの?」
「植物専用の高速成長剤を入れておきました。しかも格安でしたので」
椿の説明にファンクは思わず前のめりにずっこけてしまい、身体をピクピク動かしてしまう。
「お前な!格安といえども、高速成長剤を肥料に入れる馬鹿が何処にいるんだ!」
「でも、木も生えちゃいましたし、後は実がなるだけです」
椿が指差す方を見ると、植物はすっかり成長してしまい、木も既に成長して大木になってしまった。
すると次々とナスやトウモロコシ、レタスなどが実り、木はリンゴやバナナ、ミカンは勿論、骨付き肉やキャンディー、チョコレートまで実ってしまった。
普通ではありえない展開だが、それが現実となってしまったのだ。
「嘘だろ!?僅か一日で実るなんて有り得ないだろ!お前等はどうしてこんな馬鹿げた事を仕出かすのが好きなんだ?」
ファンクはアミ達に怒鳴り散らしながら質問するが、彼女達は無視して収穫を始めていた。
「取り敢えずは収穫に問題ないし、貯蔵庫にも入れておかないとね」
「ええ。お陰で食料には困らずに済みそうですね」
「魚については自給自足だけど、これはこれでありだと思うわ」
「そうね。ファンク!あなたも手伝いなさいよ!」
シェリアがファンクに向かって叫び、彼はがっくりと項垂れてしまう。
(駄目だこいつ等……常識をぶち壊す本当にとんでもない大馬鹿な奴等だ……)
ファンクは心の中で思いながらも、シェリア達の手伝いに向かったのだった。
アミ達のイタズラで馬鹿な展開が起こってしまいました。
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