勇者パーティーとの戦い(後編)
今回で戦いは終わりです!
ファンクとバリウスの戦いは剣と剣がぶつかり合い、火花を散らしながら激しい戦いを繰り広げていた。
バリウスはロングソードを両手に構えて立ち向かうが、ファンクはウルフソードと勇気の盾を構えて次々と攻撃を受け流していた。
(くそっ!あいつが勇気の盾を使っているから、お陰で戦いづらい……なんで僕じゃなくてあいつが選ばれるんだよ……おかしいだろ!)
バリウスは心から思いながらファンクの事を恨んでいて、更に怒りを増幅しつつ前進しながら攻撃を当てていく。
「やっぱり……動きが荒くれ者みたい……」
この様子をアミ達四人とマリスは隠れながらこっそりと見ていて、バリウスの様子を確認する。
どうやら勇気の盾が何故かファンクに奪われた憎しみと怒り、更には予想外の展開による焦りがあるからこそ、バリウスの動きが勇者の動きではなく、荒くれ者の姿だと認識するようになっていた。
「確かにそうですね。バリウスは勇者である事を自覚していますが、今の彼は性格が悪く、勇者として調子に乗っている部分もあります」
「シェリアから聞きましたが、彼女に文句を言ったら殴り飛ばされていたり、オットーに後頭部を殴られたり、ファンクにも殴り飛ばされたりしていましたからね」
「勇者が仲間にも殴られる光景は笑えるよね」
「笑ってはダメよ。けど、私も……もうダメかも……ハハハハハ!」
またしてもアミ達はドンドンと地面を叩きながら笑ってしまい、椿、エリンは転げ回ってしまっている。
その笑い声にバリウスは怒りでヒートアップしてしまい、ファンクは唖然としてしまう。
「なあ……あいつ等後で殴り飛ばして良いか?」
「それは勿論構わないが……後で返り討ち確定だぞ」
「構わない!馬鹿にした奴等はぶっ飛ばすのみだ!たとえ相手が女だろうとも!」
「お前、勇者として最低だな!」
「煩い!」
ファンクのツッコミにバリウスは逆ギレし、剣を振りかざしながら斬撃を繰り出す。
しかし、ファンクはバックステップで回避してしまい、盾を全面に押し出す強烈タックルをバリウスに浴びせた。
「がはっ……!」
ファンクのタックルでバリウスは弾き飛ばされてしまい、そのまま2、3回転地面を転がって倒れてしまう。
「どうした?勇者の実力はこの程度か?アン?」
「こ、こいつめ……!ふざけやがって……!」
ファンクの挑発にバリウスの怒りは最大限に上がってしまい、とうとう限界突破してしまった。
彼はファンクを殺す事しか頭になく、理性が破壊されて本能のままに戦う様になってしまった。
「ソードスラッシュ!」
剣から波動の斬撃がファンクに襲い掛かるが、彼は勇気の盾をすぐに構える。
「カウンターシールド!」
すると波動の斬撃は盾によって弾き返されてしまい、そのままバリウスに直撃して爆発を起こした。
「が……!」
爆発をモロに食らってしまったバリウスはフラフラの状態になってしまい、今にも倒れそうになってしまう。
高威力の技が盾も用意せずに自身に直撃すれば、この様な事態になるのも無理ないだろう。
「まだだ!」
しかし、バリウスは持ち前の根性を発揮し、すぐに左手から雷の魔力を形成して放出しようとする。
「サンダーキャノン!」
雷の弾丸が成形されたと同時にファンクに放たれるが、彼はジャンプしながら回避し、地面に着地する。
「今だ!」
そのままファンクは駆け出したと同時に、ショルダータックルでバリウスを弾き飛ばす。
バリウスはそのまま背中を地面に打ち付けて倒れてしまい、激痛を負ってしまった。
「バリウス……これで分かっただろ?俺を最初からパンダにした時点で、お前の運命は変わってしまったんだよ。元には戻れない呪文を掛けたのは愚かな選択だったな」
「く、くそっ……僕は勇者なのに……なんで……ここで倒れなくちゃいけないんだ……おかしいだろ……」
ファンクからの指摘にバリウスは信じられない表情をしながら、フラフラと立ち上がろうとする。しかし、力はほとんどなく、立ち上がるにしても時間が掛かる。
するとバリウスが剣を地面に突き刺して立ち上がろうとしていて、片膝を上げながらゆっくりと立ち上がる。まさに不屈の闘志と言えるだろう。
「いくら抵抗しても無駄だ……大人しく……負けを認めろ!」
「へぶら!」
ファンクのパンダナックルがバリウスの右頬を打ち砕き、そのまま彼は完全に倒れてしまい、失神してしまった。
「ふう……これで終わりだな!」
ファンクが手を叩いたその時、アミ達が一斉に彼の下に駆け付ける。
「大丈夫だった?」
「ああ。俺としては弱すぎたからな。バリウスが勇者として崇められたとしても、実力がこんなんじゃ勇者としての資格はないしね」
「そうですね。フローラさん達はどうなったのでしょうか?」
椿がフローラとシェリアを心配したその時、彼女達が笑顔で駆け出しながらこちらへと向かってきた。
二人は先程オットーとボルスを撃破したので、余裕の笑みを浮かべているのだ。
「皆ー!」
「こっちは勝ったわよ!」
「フローラ!シェリア!無事で良かった!」
ファンクは笑顔でフローラとシェリアの元に駆け出し、彼女達の頭を撫でる。
「オットーとボルスを倒したみたいだな。無事で何よりだよ」
「まあ、心配しなくても余裕だからね」
「そうそう。それにボルスは天才と言われていたけど、足元を救われるからこの有り様になったからね。まっ、自業自得としか言いようがないけど!」
シェリアの自信満々の笑みにアミ達も微笑む。
「で、オットーとボルスはどうなったの?」
するとマリスが気になった事をシェリアに質問し、彼女は首を傾げながら考え始める。
「あの二人ならそのまま置きっぱなしにしたけどね。まあ、時間が経てば来る筈だから」
「そうなのか……取り敢えずは勇者達との戦いも終わったし、後は目を覚ましたら罪の自覚をしてもらわないとな」
シェリアの説明にファンク達は納得し、彼の提案に全員が頷く。
バリウス達はファンクをパンダにしただけでなく、シェリアが離脱してしまう元凶を作っていた。そのぐらいやらかした以上は詫びを入れるしか方法はないだろう。
「そうね。散々悪い事をしていたし、目が覚めたら彼等には謝って貰わないと気がすまないからね」
「少し口にわさびを入れるのもありですね」
「お尻に棒を突き刺すのもありかも」
「お仕置きはやり過ぎだから!どこでそんなアイデアを覚えたんだよ!」
ファンクの意見に皆は同意するが、椿とフローラの提案に彼はツッコミを入れてしまう。
こんなとんでもないお仕置きを実行すれば、バリウス達が黙っていられず、即復讐を考えるに違いないからだ。
「まあ、取り敢えずは目を覚ましてからという事で」
「その後にお仕置き実行しないとね」
「「「よし!それで行こう!」」」
「だからそれは自重しろ!」
シェリアとアミの提案に全員が賛同するが、ファンクは彼女達のやり方にツッコミを入れつつ、暴走を止めに入ったのだった。
次回は後始末となります。




