舞台裏
舞台裏
––––物語序盤を終え、出演者たちは舞台の無事を祈り打ち上げを行っていた。
今回は趣向を変え、彼女らの舞台裏にスポットを当ててみたいと思う。
…………決して次話作成のための時間稼ぎではないので悪しからず。
––––会場は彼女たちの行きつけのカフェ『聖石の波動』(通称ストバ)。
晴れ渡る青空の下、出演者たちは思い思いに寛ぎ、ティーパーティーを楽しんでいた。
ルビィ(以下ル):「おっつかれーーー!」
エリュシア(以下エリュ):「お疲れ様ですぅ~~~♪」
フェルネット(以下フェ):「……お疲れ」
シャトー(以下シャ):「…………………………」
ル:「どうしたの?二人とも。暗い顔しちゃって」
フェ:「だって……最初のトラップといい、アタシまるでアホの子じゃん!」
シャ:「あなたなんてまだいいわよ!私なんて……エロは……エロはないって言うからオファーを受けたのに!うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん‼」
突っ伏して泣き出すシャトー。
ル:「あらら、泣いちゃった。ちょっとサクシャ!」
––––なにか?
ル:「なにか、じゃないわよ!どうなってんのか説明しなさいよ!シャトー、泣いちゃったじゃない‼」
––––と、言われても。トラップである以上、誰かが引っかからないと話が進まないし。
ル:「だからって!」
––––それに、彼女の場合この後の展開的に必要だったし。別に私の趣味ってわけじゃないよ。
ル:「(台本を見ながら)うー……この後の展開も結構趣味悪いわね。あんた、私達のこと嫌いでしょ」
––––選り好みはしないよ。
ル:「それって遠まわしにどうでも––––って、だあぁ!だぁかぁらぁ!他人様のネタでドヤってんじゃないわよ!このゴブリディオット!」
……………………
マリー(以下マ):「あらあら、元気ねぇ~」
フェ:「まぁ、いつものことだよね~」
エリュ:「デスヨネー」
マ:「あら、いいの?こっちのテーブルに来てて」
シャ:「……いいのよ。一度ヒートアップしたら止まらないんだから、あの子」
フェ:「シャ、シャトー⁉話し方、素に戻っちゃってる!あと、ウイッグウイッグ!」
シャ:「本番中でもないのにあんなお嬢様言葉、舌がもつれちゃう。それに、けっこう重たいのよ、バーチカルカーリーって」
マ:「でもぉ、キャメラ回ってるわよ?」
エリュ:「ですです。ほら、あそこ」
シャ:「あ、あらやだ。おほほ。わたくしとしたことが、油断し過ぎていたようですわね」
フェ:「いまさらいまさら」
シャ:「……ん、んんっ!さ、さて、スコーンでも頂くとしましょうか」
エリュ:「あ、いいですねぇ。……って、あれ?」
フェ:「ない……ねぇ。…………あ」
テーブルの端、ジャムとクロテッドクリームをセメント代わりにスコーン・タワーを作って遊んでいる子供マリー(以下チビ)。
チビ:「♪~~~♪~~~」
マ:「こぉら。食べ物で遊んじゃいけませんって、いつも言ってるでしょぉ?」
チビ:「っ‼で、でもでも、こんなに高く……」
マ:「わ・か・っ・た・の?」
チビ:「あい!まむ!」
フェ:「おお。なんだかホントの親子みたい」
エリュ:「有無を言わせない迫力がありますね……」
マ:「ごめんなさいねぇ。うちの子がイタズラしちゃって」
シャ:「い、いえいえ。そうは言ってもお皿の上だけですもの。これはこれで頂きましょう。ね?」
エリュ:「そ、そうですね。ちょっぴり––––ちょっぴり?ジャムとクリームがはみ出してますケド、食べられなく……は、ないですし?」
男テッド(以下テ♂):「新しい物をお持ちしました。こちらをどうぞ、お嬢様方」
エリュ:「あ、テッドさんだ!」
フェ:「ありがとー。って、なんで給仕の真似事やってんの?」
テ♂:「いや、ここの現場は女性ばっかりで、なんだか肩身が狭くて……」
マ:「………………はぁ」
女テッド(以下テ♀):「どうされました?ため息など吐かれて」
マ:「いえ、ねぇ。この後私……最後の方まで出番がないから、ちょっと、寂しいかな、って」
テ♀:「あぁ、しばらくはチビちゃんが出るのでしたか」
ル:「だったら、後で出てくるあの子の役、代わってもらったら?」
テ♀:「ルビィ!いつの間に」
ル:「まぁ、細かいことはいいじゃない。で、どう?」
マ:「ええ~?ムリよぉ、あんな若いコが着るような服。私には向かないわぁ……それに、胸もキツそうだし」
ル:「…………ケンカ売ってんなら買うけど?」
テ♀:「まぁまぁ……」
––––宴もたけなわといったところ(?)ではありますが、そろそろ締めを。
ル:「え、もう?」
エリュ:「名残惜しいですけれど、次回の予告もしませんと」
ル:「はいはい。それじゃあ––––傷心のため姿を消したシャトー。苦悩しながらも彼女の帰りを信じて、ルビィ、エリュシア、フェルネットは、自らの能力を向上させるため、それぞれの方法で修練を開始する––––」
一同:「次回、『それぞれのRe:Start』に、ご期待ください!」
ル:「見ないと触手部屋に叩っこむからね!」




