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 プーチンのせいで病みを極めつつある女神たち。海の女神、雨の女神、湖の女神。彼女たちは、今日は、3話で集まった駅の、駅ビルにある、異常なまでに店内が広いココスに、パフェを食べにきていた…


雨「今日平日だから、お客さん少ないし。海の女神、どう?平気そう?」

 海の女神は、夏になったら、プールの女神に人間をとられるかもという恐怖で、夜もおちおち寝ていない。

海「うん…これくらいなら、平気…。ありがとう…。」

湖「ねえ、『Free!』(競泳のアニメ)とのコラボメニューある!」

雨「わあ!かわいいー!!」

 しかし、メニューを吟味し、結局、いちごとピスタチオのパフェにした。常に安パイを取る女神たち。冒険は、しない。


 だが、この決断は大正解だった。いちごとピスタチオのパフェは、とても美味しかったのである!!!

雨「30センチって、ききしにも勝るね!迫力すごい!」

海「苺すごいね!」

湖「写真撮る!」

 …女神たちは、早食いだった。物の5分で食べてしまった。それでも、充実感が残った。

海「マシュマロ入ってたね!」

雨「途中でピスタチオソースかけられるのも、よかったー!」

湖「しかも低カロリーだし!」

 ハイテンションの女神たち。その実、後ろの席の女子大生たちの会話が、ジワジワと気になり始めていた…。


 女子大生①と②は、『Free!』のパフェを頼んだようだ。

①「呪術とかいいから、『Free!』観てほしい。」

②「クリアファイル、嬉しい。」

①「もらえたの、全部同じキャラのだけどね…。」

②「うん…。」

①「コンプまで、あと何回来れば良いんだろう…。」

②「ハルちゃんだけが増えてくね…。」

女神たち(…え?!全部同じキャラの…?!)

三人の女神たちは、思わず、後ろの席を見てしまった…。

 コラボメニューを頼むと、特典として、キャラクターのクリアファイルがもらえる。全部で八種類は、あるはずなのに…。全く同じクリアファイルが、六枚も、テーブルの上に並べられていた…。ホラー並みのくじ運の悪さ…!

 つい、女神たちは、女子大生たちへ祈ってしまった。

…この二人が、『Free!』のクリアファイル、コンプできますように…!!☆

パアアアア…!!!

ココスの店内は、聖なる光に包まれた…!


 ヘリコプターが、何台も上空からテレビ中継をしている。さらに、ドローンも数台飛んでいる。『とある各停駅の聖なるココス』は、瞬く間にSNSに拡散され、テレビ局が駆けつけ、緊急報道される事態となった。

 女神たちは、擬態が解けてしまった。身バレほど、イタイものはない。それでも、慌てふためく姿を、民たちに見せるわけにはいかない。優雅にパフェを食べ、優雅に微笑み合い……そのまま、NHKのインタビューに応じることになった女神たち。マイクが向けられた。

海「人間の皆様の間で愛されるパフェなるもの、堪能いたしました。」

笑顔、そして、後光。

雨「まこと、これは大地の恵みと皆様の努力の賜物と存じます。」

笑顔、そして(以下略)。

 湖の女神はガチだった。

「いちごとピスタチオ、非なる物同士の、その類まれなるマリアージュ…(中略)…チョコクリスピーやミニマシュマロの食感は楽しく、下に隠された木苺ソースは(中略)…」

海(え、やばい、やばい。)

雨(オチどうすんの。)

 NHKのアナウンサーも、ココスのお客さんたちも、そして何より、商品開発デザート部門の人々は、固唾を飲んで、その瞬間を待った…

湖「………合格!」

海(まじか!)

雨(こいつ、めっちゃ合格不合格のテレビ観てるじゃん!)

…ウワァァァァアアアア!!!(歓声)…

『合格』の言葉を聞いたみんなの心がひとつになった…!


 


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