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18/31

ネームドモンスター蜜なる激母 前編!

依頼人:『満腹キッチン』店主アルコフ

依頼内容:ヴェスパの蜜採取

     うっかり在庫を切らしてしまい、入荷まで時間がかかります。

     至急、冒険者の方に蜜を採取していただきたいです。

報酬:50000ゼル


 ヴェスパは数が多くて猛毒を持つから、巣に近づくのも苦労するみたい。

 しかも養殖できるのは国の厳しい審査を受けて許可をもらった業者だけだから、蜜はすごく高い。

 猛毒と聞いてピーンときた。私のゴーレムなら何とかなるかも!

 という事でいつもの森の奥深くまで進む。ガルフだけじゃなくて、他の魔物も襲ってくるから注意しないと。

 さっそくガサガサと林が揺れて、何かが出てくる。猪型で鼻がすごく大きい魔物だ。

 事前に情報を集めたから、これは知ってる。観察するとガルフより強い。


ボブア 耐久 0/52


「ベアクローっ!」


 森の粗暴者も倒せるベアクローなら、この魔物も怖くない。切り裂かれたボブアが横倒しになる。

 他の魔物が寄ってこないうちに採取だ。


素材名:ボブアの肉

ランク:E

状態:普通

効果:疲労回復(中)


素材名:ボブアの毛皮

ランク:E

状態:良い

効果:装甲+22


装甲:161 → 183 アップ!


 肉はギルドで高く買い取ってもらえる。豚肉よりおいしいみたい。

 これより強いバーストボアの肉や素材は貴重らしいんだけど、この辺りには生息してない。


「たぶんこの辺りって聞いたけど……」


 注意深く進んでヴェスパの巣を探す。ギルドにいた冒険者がヴェスパの巣がある場所を教えてくれた。

 前に採取しようとしたけど数が多すぎて苦労する割りに合わない、買ったほうが早いと教えてくれた。

 でもアルコフさんは今、どうしても必要みたいだから絶対に採る!


「あ、あれが……」


 木にへばりついた巣は遠目からでもわかるくらい大きい。その巣の周りをたくさんの大型の蜂がブンブン飛んでいる。

 飛んでる上に素早いから、ボブアくらいならやられちゃうほど狂暴だとか。どれどれ。


ヴェスパ1 耐久 28/28

ヴェスパ2 耐久 15/15

ヴェスパ3 耐久 21/21


 これが数十匹以上いるし、更に大きい個体もいる。私はここから絶対に動けない。草木に隠れて見守るしかなかった。

 ゴーレムだけを向かわせて巣から蜜を採取する。その為には巣までの最短ルートを割り出さないと。

 計算した結果、二つのルートがあった。まずは1号! 突進して三匹!


ヴェスパ1 耐久 0/28

ヴェスパ2 耐久 0/15

ヴェスパ3 耐久 0/21


 更に回転斬りで出来るだけヴェスパを倒して!


ヴェスパ4  耐久 0/20

ヴェスパ5  耐久 0/19

ヴェスパ6  耐久 0/26

ヴェスパ7  耐久 0/16

ヴェスパ8  耐久 0/24

ヴェスパ9  耐久 0/32

ヴェスパ10 耐久 0/29

ヴェスパ11 耐久 0/23


 強い強い! 今なら森の粗暴者が二匹きても倒せそう!

 1号が暴れてる隙に2号が巣に近づいた。よし、と思ったら――


「う……!?」


 思わず声が出た。巣からとびっきり大きい個体が出てきたから。

 綺麗な羽に似合わない紫と黄色の縞々模様のお尻。そこから飛び出た槍みたいな針。たぶん女王蜂だ。

 針を突き出して、2号を狙う。


蜜なる激母 120/120(推定)

ブロンズゴーレム2号(運搬用) 耐久:49/60


 女王蜂はさらに素早くて、運搬用の2号じゃかわしきれない。お金を使って耐久を上げておいてよかった。

 しかも他のヴェスパも2号に群がり始める。

 2号はあくまで蜜採取に徹してるから、頼れるのは1号だけだ。

 1号が突進で数匹のヴェスパを倒した後、ベアクローで女王蜂を狙う。


ヴェスパ12 耐久 0/25

ヴェスパ13 耐久 0/24

ヴェスパ14 耐久 0/27


蜜なる激母 耐久 86/120(推定)


 素早くて女王蜂に完全に当たらない。しかも高く飛んで、ゴーレムの攻撃が届かなくなった。

 そんな中、2号が巣を切り取って蜜の採取を終える。その間にも2号のダメージが溜まっていくし、そろそろ逃げてくれるはずだ。

 危なくなったら私の元へ逃げるように回路を作ってる。ん、私の元?


ブロンズゴーレム2号(運搬用) 耐久:18/60


「わわーっ! まずいー!」


 2号が私の元へ走ってくる。当然、ヴェスパ達も追いかけてくる。

 1号が何とかヴェスパ達を倒しながら追いかけてきてくれてるけど、私の足じゃ追いつかれちゃう。しかも1号が壊れたら台無しだ。


ヴェスパ15 耐久 0/17

ヴェスパ16 耐久 0/20


 1号が回転斬りをフル稼働させながら、何とか私に追いついてくれた。

 1号には私を守るように設計してある。まだまだヴェスパの数は多いけど、あの女王蜂さえ何とかなれば。

 女王蜂と他のヴェスパはほとんど2号を狙っている。1号は私を守っている。アレしかない!


「2号! 私と一緒にいて!」


 もう走り続ける体力もないし、追いつかれた。2号にも私を守ってもらうしかない。

 二体が私を庇うようにして立って、迫るヴェスパ達を迎え撃つ!

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