二体目のゴーレム!
リッドさんが教えてくれた解体スキルと知識がすごい役に立ってる。
バフォロを楽に討伐できるようになった上に、皮と肉を解体をうまく解体できた。おかげで高く買い取ってくれるから、お金が少しずつ溜まっていく。
一番嬉しかったのは冒険者になったおかげで、寝る場所が出来たこと。
お屋敷にいた時は薄い布だけ渡されて、硬い床で寝ていたからすごくよく眠れる。寝るのが楽しみになっちゃった。
素材名:ブロンズアーマー
ランク:E
状態:良い
効果:耐久+25 装甲+25
売値:2140ゼル
耐久:70 → 95 アップ!
装甲:65 → 90 アップ!
生活費等を抜いた所持金:3411ゼル
ブロンズアーマーを買っても、結構余裕が出てきた。地図も買って、旅の準備に出来つつある。
リッドさんが言った通り、工業都市プロドスへの道のりは長い。それはいいんだけど最近、目立ちすぎていろんな人に声をかけられる。
「これが噂のゴーレム? 触っていい?」
「ど、どうぞ」
「硬い……」
頭を撫でて可愛がられた。そんな事しても喜ばないし、私もなんだか恥ずかしくなる。
「お嬢ちゃん、頑張ってるんだってね。お菓子をあげる」
「あ、ありがとうございます……」
「その歳で冒険者だなんて大変だよな。与えられたクラスが曲芸師だから俺も毎日が大変だよ」
「曲芸師……」
不遇職とまではいかなくても、クラスによって大変な人もいるみたい。
他の人達も変なクラスを与えられた愚痴を話してくれる。こうしてたくさんの人と触れ合っていると、情報も集まって嬉しい。
裁縫が大好きなおばあさんからは質がいい生地の情報を貰えたり、昔の話も聞かせてくれる。
道具屋をやっている人からはいいアイテムの情報、他の街から旅をしてきた人からは危険な場所は安全なルートを教えてくれる。
おかげで冒険者ギルドの寝室で、旅の計画を考えるのが楽しくなってきた。今日も気分よく冒険者ギルドに帰って清算だ。
生活費等を抜いた所持金:3411 → 5108ゼル
「き、君はすごいな。あのバフォロを相手にしながら軽々と素材を持ち帰ってくるなんてな」
「うまく解体できるようになったおかげです。それとゴーレムを素材を持ち運びできるように改良したおかげですね」
「そ、それもそうかもしれんが……」
ゴーレムの背中に荷物を入れられる背負い鞄を取り付けた。
だけど今日の戦いでバフォロの突進を受けちゃったから、きっと速さが下がってる。私じゃ持てないし、どうしよう。
「そのゴーレムだけでそんなに戦えるのか。それじゃもう一つあったらすごい事になりそうだな」
「もう一つ……」
「どうした?」
「それです!」
どうして思いつかなかったんだろう。そう、荷物を運ぶゴーレムを作ればいいんだ。戦いは出来なくてもいい。
急いで寝室に戻ってどんなゴーレムにしようか考えた。
* * *
次の日、お金と相談してから素材を買ってゴーレムを完成させた。
スクラップじゃさすがに頼りないから同じブロンズゴーレムだ。
名前:ブロンズゴーレム1号
耐久:95/95
攻撃:118
装甲:90
速さ:27
耐性:炎(弱)
武装:ブロンズパンチ
ベアクロー
回転斬り
突進
名前:ブロンズゴーレム2号(運搬用)
耐久:25/25
攻撃:10
装甲:25
速さ:10
耐性:なし
武装:ブロンズパンチ
生活費等を抜いた所持金:2170ゼル
「これでかなり楽になったはず!」
最低限、身を守れるくらいには攻撃できるようにした。
そうか、ゴーレムをもっとたくさん作ればいいんだ。だけどまたお金が減っちゃった。
こういうのはどう考えればいいんだっけ。そうだ。初期投資だ。
「しょきとーし! かんりょー!」
「おいおい、例のゴーレム少女がもう一体ゴーレムを作ったぞ……」
すごい注目されてる。なんかゴーレム少女って私がゴーレムみたい。
今日もお金節約の為に甘いパンとお水だけだ。たまにはおいしいものを食べられるくらいお金を稼げたらいいな。
「毎日、そんなものじゃ体を壊すぞ。これを食べな」
「あ、えっと、いいんですか?」
「あまり質がいい干し肉じゃないけどな」
「い、いただきますっ!」
一人の冒険者さんが干し肉をくれた。嬉しくて質なんか気にしないでかじりつく。
「俺のもやるよ」
「そういや、俺のも余ってた」
「え、えーと」
どんどん集まってきて、たくさん食べ物をくれた。
貰う時に余りものだとか、おいしくないと言うけどそんなの関係ない。
少しずつだけど私も認められるようになってきたのかな。今はかわいそうと思われてそうだけど。