ユニークスキルとは!?
素材名:????
ランク:A
状態:すごく良い
効果:攻撃+? 速さ+? 武装『????』習得
素材名:????のマント
ランク:A
状態:すごく良い
効果:速さ+? アビリティ『ウインドブースト』習得
素材名:プラチナアーマー
ランク:A
状態:すごく良い
効果:耐久+? 装甲+? ?耐性(中)
素材名:ロビンブーツ
ランク:A
状態:すごく良い
効果:速さ+? アビリティ『ジャンピング』習得
「じーっ……」
「な、なんだよ。ハッ! お前、これ素材に使いたいってか!? ダメだ! ぜーったいダメだぁ!」
「うんうん! ぜったいダメですよね!」
リッドさんの装備がすごくて、見とれちゃった。でもほとんど何もわからない。
今の知識で情報解析をしても、ダメなんだ。でも武器以外にいろいろ強くできる部分があった。
例えばアビリティ。思いついたジャンピングは高くジャンプして移動できる。ウインドブーストは風の力で速く移動できし、うまくやれば空を飛べるかも。なんだかうずうずしてきた。
「お、お前やっぱり俺の装備を素材にしたいんじゃ……」
「しないしない! ジャンピングもウインドブーストも我慢する!」
「すでに展望が見えてんじゃねえか!? ていうか俺の装備でそんなのが出来るのかよ!」
「ねーねー! その装備はどこで手に入れたんです!」
「そ、それは、ほら。すげぇところでな」
「すげーところって!?」
「い、今のお前じゃ無理だ! ゴーレムにはびびったが、この世界にはもっと強い魔物とかいるんだからな!」
リッドさんの言う通りだ。欲しがってばかりじゃダメだし、ゴーレムを強くするしかない。やっぱり目標は工業都市プロドスだ。
「今日一日で解体についてはなんとなくわかっただろ。後は経験だな」
「経験です! さぁ次の魔物は」
「待て。もう日が落ちる。今日はよく食べて、よく寝ろ。俺が奢ってやるからさ」
「お、おごっ……」
「なんで詰まるんだよ……」
「いえ……」
誰かに何かをしてもらうなんて久しぶりだった。屋敷では朝から夜まで雑用だったし、食事なんてパンと塩スープだけ。
ガズーがわざと床に落とした食べ物を食えとか言ったから、それも食べた。もったいないもん。
* * *
「で、落ち着いたか?」
「おちしゅきましふぁ……」
「まずは噛んで飲み込んでな」
料理がおいしすぎる。お肉なんて久しぶりに食べたし、塩じゃないスープもおいしい。
素材ランクはC以上のものを使ってる。屋敷であの人達が食べてたものはB以上。ゴーレムもいいけど、いい食材にも興味が出てきた。
「その情報解析っての? お前がそう名前をつけたのか?」
「なんとなく……」
「クラスに目覚めた後のスキルってのは大体が後天的なものだ。ソードファイターの技とかな。それが人によって派生して、個性になる」
「じゃあ、私のスキルも」
「ただし、それは鍛錬によって生まれるものだ。いきなり生えてくるわけじゃない」
なんでそんな名前にしようと思ったのかわからない。魔導機師になった途端に目覚めたといったら、すごく驚かれた。
情報解析は私の頭の中にある情報の分だけ、詳しくわかる。だからリッドさんの装備がすごい事はわかったけど、今の知識だとほとんど何もわからない。わかるようになるにはもっと知識がないとダメなんだ。
「マイスターハンドみたいなのは初期スキル……。だけど、お前みたいに稀にスキルが目覚める例もなくはない。そういうのをユニークスキルという」
「ユニークスキル?」
「俺もお前のそれを見るまでは実在するなんて信じなかったよ。エドワールのおっさんは知らなかったみたいだけどな」
「黙っててごめんなさい」
「なんで謝るんだよ。悪いのはあいつらだ……クソ野郎どもが」
あの人達のところから追い出された事をリッドさんに話してみた。なんとなくだけど、この人なら信用できそうだから。
エドワールを怒らせたら街にいられなくなるから皆、機嫌を取っている。リッドさんもそうしているけど、クソ野郎というくらい嫌いみたい。
「ま、でもこの前は仕返ししてやったけどな」
「仕返し?」
「あいつらが馬鹿じゃなけりゃ仕返しにもなってないけどな。それより、情報解析は何でもわかるのか?」
「ううん、私がいろんなことを知らないとわからないみたいです」
「鑑定士のそれと似てるな。あっちもそんな感じの性質で、本物か偽物かどうかの区別はつくらしい。ギルド職員のおっさんも鑑定士なんだぜ」
「だから、野草をきちんと見分けられたんだ……」
「そうだな。じゃあ、プレゼントとして俺が持ってる知識をくれてやる。もちろん気になるこの装備込みだ」
「ホントですかぁー!」
食事をしながら、リッドさんはたくさんの知識を教えてくれた。大人だからかリッドさんが物知りなのかわからない。
ダンジョンの事、冒険者の事、王都の事、レアアイテムの事。気がついたらお店が閉まる時間になってた。