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妖怪フェミニストババア

(支援者を見つけるって言っても......)



学校の帰り道、僕はずっと考えていた。支援者どころか友達さえ居ない僕にとって難題なのは明らかだ。


募集要項を取り出して再確認する。


        〜募集要項〜

・意見主張、立候補者同士の討論をライブで校内放送をする。

・校内放送後、投票が行われる。

・意見主張は最低でも1人の支援者演説を必要とする。


「支援者演説って支援者に演説させるの!?」


「はぁ〜」


思ってたより険しい道に思わずため息が出る。考え事をして歩いていると、突然誰かの声が聞こえる。


「キャッ!」


音のした方を振り向くと、小さな女の子が倒れていた。小学生2年生ぐらいだろうか。体のわりにランドセルが大きい。


僕は慌てて駆け寄る。


「だ、大丈夫かい?」


女の子は膝をおさえて座り込んでいた。こけて膝をすりむいたようだ。泣きそうな顔でこちらを見る。


すぐさま僕はハンカチを取り出して女の子が怪我した部分にあてる。


「泣かないで偉いな。学校が近いし保健室まで運んであげるよ」


「ランドセル貸しな」


僕はランドセルを受け取ると、女の子をお姫様抱っこする。学校までは100mほどだ。幸いハイエ族の固有能力のおかげで身体は強靭だから女の子ぐらい軽々持ち上げることができる。


「しっかり傷口おさえるんだぞ」


僕は近くの小学校まで歩きはじめた





「ふぅ」


保健室の前までやってきた。扉を開けると保健室の先生が見える。


「すみません。この子コケちゃって怪我しちゃったんですよ。手当てお願いできますか?」


「あら〜痛かったね〜!」


少し高い声で女の子に駆け寄る保健室の先生。女の子の怪我の部位に手を当てて治癒する。おそらくエルベ族のヒール能力だろう。


「あなたは誰かしら」


「ぼ、僕は彼女がこけていたんでここまで運んできました」


「ありがとう。けれどももう少し方法を選ぶのよ。女の子を持って移動するなんて誘拐犯みたいだしセクハラにもなりかねないわ。セクハラも超えて強制わいせつかもしれないわ」


「しかも勝手に小学校に入ってきたでしょ?校門にインターホンがあるんだから押して了承を得ないと不法侵入よ」


僕はビックリして言葉を失う。


「えぇ.......」


「とりあえず警察に通報するわ。事件性がないか調べてもらわなくちゃいけないもの」


そういうと保健室の先生はスマホを取り出し、3回画面をタッチすると受話器に耳を当てて話し出した。


「もしもし、警察ですか?交番の隣の小学校なんですけど、今すぐ来てもらえますか?」


それから二言ぐらい言葉を交わして電話を切る。


「てことで今から警察が来るからここで待っていなさい」


「え、待って意味がわからないよ」


「逃げ出すつもり?私が今ここで現行犯逮捕してもいいのよ」


僕はこの意味不明なフェミニストおばさんに保健室に実質監禁されることとなった。





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