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異質な地球と異世界で  作者: 鼓月 幸斗
第一部 桜の家
3/14

今の地球と異世界は

とりあえず3日連続投稿します。

「なんてこと...」

白雪 赤葉は苦悩していた。一番の絶望は大きな失敗よりも小さく身近にあるものなのだと。

「どうしよう...」

「ちゃんと予習したんですか?」

「赤葉さん...」

腐れ縁とも言える友人の美枝と、先日できたばかりの友人の凜が心配する。

「いや、大丈夫よ。ちょっと油断しただけ...」

「逃げちゃだめですよ!」

美枝は赤葉に言い訳をさせない。

「だ、だって...こんなすぐにするとは...」

しかし赤葉はなおも口ごもる。目の前に起きた事が意地でも信じたくない。

「だって...」

「素直に認めましょう!」

「だって、最初のテストで赤点を取るとは思わないでしょ!」

そう。白雪 赤葉は新学期に始まるテストで赤点を取ったのだ。

「そもそもなんの科目で取ったんですか?」

「世界史...ここ最近の方」

「そこですか...私も世界史はちょっと...」

凜が申し訳なさそうににする。

「私も教えられるほどではないですね...というか先生に教えてもらうのは駄目なんですか?」

「先生はしばらく他校に研修だって、だからしばらくは世界史ないの」

「あ、ほんとだ...じゃあどうすれば...」

三人が困っていると美枝が

「あ、龍牙さん達は教えてくれないんですか?勉強出来そうですけど」

「龍牙達...そういえば勉強できるのかしら、そう言う所見たことないのよね。」

仮にも娘なのにこの反応である。

「せっかくだから聞いて見ましょう?」

そうして三人は赤葉宅へ向かった。そこで帰りを迎えた龍牙は

「お帰り、赤葉ってお二人さんも来たのか」

「お邪魔します!」

「お邪魔します...」

「はい、いらっしゃい...さて赤葉、何か聞きたいことがあるんだろう?」

「龍牙...世界史のテストなんだけど」

赤葉がテストを教えられるか聞くと

「まあ、とりあえず結果を見せて」

「はい」

「うん、うん...」

一通り結果を拝見した後、龍牙はゆっくりと赤葉の方を向き

「もうちょっと頑張って下さい。」

「はい...」

「しょうがない、俺も一応教えられるっちゃ教えられるけど...仁や恵輔のほうが得意なんだよな、説明は」

そう言いながら龍牙は、何処からともなくホワイトボードを出し、伊達眼鏡を掛けた。それを見た凜は

(何処から出したんだろう...)

この疑問で埋め尽くされた。

「じゃあ何処から説明しよう......そうだな、とりあえず最近で一番目立つ『世界革命』から行くか」

龍牙はホワイトボードに地球の絵を描く。

「今から60年ほど前、世界は科学のみが世界を埋め尽くしていた、しかしある年...ここら辺、何故か記録が曖昧なんだ...誰が最初か知らないが、とても人とは思えない超常現象を引き起こす人達が現れた。初めは数人しかいなかった彼らを神の使いだとか、化身とか言われてた。」

そこから小さな人にオーラが描かれた絵を描いた。

「しかし年月がたつにつれ、その力を持つ人は増えてきた、今でも数は少ないが、精々帰国子女程度の珍しさになった。」

「わかります、異能持ちですね」

凜は付け加えるように言った。

「そう、そしてその異能がちょっとレア程度に収まってから数年...大体2040年ぐらいかな、に、突如世界に不思議な穴が空いた...というより気づいた、数人の異能者によって」

龍牙は地球の隣に楕円形の穴を描いた。

「学者達は時空の穴とか、異世界への扉、なんて言っていて、異能持ちの仕業なんて言われていた。で、その予想は後者が当たりだった。」

楕円形の穴から人が出てくる絵を加える。

「その穴は異世界への扉だった。その穴からは自分たちとはまた違う世界が見えた。そして同時に、異能とは違った力を使う人も現れた。」

「異世界『ライシア』に、魔法使いの方々ですね~」

美枝が続きを答える。

「その通り。で、最初は突如現れたライシア人に俺たち地球人は警戒してた、言葉も通じない、異能とは違う力を使う、警戒する要素なんて山程あった。ところが、これ解いたのはライシア人だった。武器を置き、身振り手振りで会話をした。」

龍牙は人同士が手を繋ぐ絵を描く。

「それから30年、今では言葉も通じるし、地球人は科学、ライシア人は魔法を教えあって、平和条約も結んだ...はい、ここまで、何か質問は?」

凜が手を挙げる

「先生!ライシアはどんな世界ですか!」

凛はライシアがどんな世界か知らない、そもそも異世界の扉は存在こそ知っているが実際に見たことはない、旅行などしたこともないのだ。

「質問に答えます、まあざっくり言うと、剣と魔法のファンタジー。とはいえ、別に奴隷制度とかもないし、現代より少し科学が遅れた程度で良いと思う。」

「ライシアの国々ってどうなっているんですか~?」

今度は美枝が挙手をする。

「直接穴に繋がっているアイビー国を中心として、幾つか複数の種族の国があるらしい。俺は行ったことないから詳しくは知らないけど」

「そうなんですか~」

美枝は満足したように返事をする。

「こんなところかな、因みに異能と魔法だけど、異能はライシア人も持ってるらしいね、俺たちよりも珍しいらしいけど。それと魔法、これは地球とライシアでかなり違う。」

「かなり?」

「ライシア人は昔からある力として認識しているから、詠唱とか、イメージとかで簡単に使える、ただ俺たちは、魔法を実際に使う事なんてなかったから、詠唱とかイメージとかは上手くいってる奴はほとんどいない。だけど神話に乗っ取った力は行使しやすいらしくて、所謂モーセの奇跡とか、スケールのでかいのが成功例として多いらしい。」

龍牙はそこで一区切り付け、「あ、俺も魔法は使えるぜ?」と、手から小さな火を灯す。赤葉は知っているが、凛と美枝には初めてのようで、目を丸くする。

「でも魔法って私たちにも結構馴染み深くない?漫画とかアニメとか、」

赤葉は不思議という表情で聞いた。

「そうだけど、イメージはできても、それを実行するほどの力がない。漫画とかの詠唱って何て言うか、薄っぺらい感じがするだろ?」

「まあ、否定はしないけど...」

「そういう感じで、相当言葉としての力が強くないと碌なことにならない。だったらまだ魔方陣描いたほうが意味がある。」

「そういう物?」

「ライシア人にとってはそうらしい。一応俺たちにも詠唱とかすることはできるが、神話に乗っ取ったほうが早い。というより火起こすために魔法使うならライター点ければ良いと思う。」

「身も蓋も無い...」

「まあ、魔法自体は一応誰でも使えるし、異能よりも万能だから、便利ではあるかもね。」

龍牙はペンを仕舞って、

「はい、今度こそ終わり!赤葉、分かったか?」

「うん、大体」

龍牙は満足そうに頷いた。

「そりゃ良かった。じゃあ追試、頑張って。」

「あ」

忘れてた...

恵輔と仁は仕事してます。

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