白雪 赤葉の父親達
初めて執筆するので結構拙い文章です。それを込みでどうぞ。
2080年代、東京都、とある町に一つの学校があった。
私立林道高校
この学校では多くの生徒が勉学に励み、生徒同士が実力を高めあっている。そんな高校に一人、変わった生徒がいた。
白雪 赤葉
彼女は一番ではないが成績が良く、運動もできる、欠点の少ない少女。そんな彼女が変わった生徒と呼ばれるのは、ある理由があった。
「赤葉ちゃん!おはようございます!」
「おはよう、美枝ちゃん。」
彼女は広沢 美枝、赤葉の一番とも言える友人だ。彼女は朝の通学路で赤葉と並んで隣を歩く。
「今日から二年生ですよ!」
「そうだね、一年生の時とは生活は変わるのかな?」
「それはそうですよ!なんていったって二年生なんですから!」
不思議な理由に自信を掲げる美枝。
「後輩の子ってどんな子かな?」
「赤葉ちゃん、さすがに気が早いですよ?」
「そうかな?」
「のんびり待ちましょうよ!」
そうして通学路を歩き、学校へ向かう。
その途中、曲がり道の角から誰かが急いだ様子で飛び出してきた
「おっと!」
赤葉はそれを難なく避けるが、急いでいた誰かはそのまま美枝にぶつかる。
「わー!?」
「美枝!...とそこの人!大丈夫!?」
赤葉は美枝と誰かに近づくが
「私は大丈夫ですよ!」
と美枝に言われたので、とりあえず美枝の上に倒れている人を起こした。
「あなたも大丈夫?」
「ご、ごめんなさい、急いでいて...」
「そう、そんなに急いで何処に...って、その制服...」
赤葉は自分の制服と誰かの制服を見比べた。
「同じ...あなた、もしかして新入生の子?」
「はっはい!あ、でも私は二年生からの転入生ですけど...」
それを聞いて起き上がった美枝が目を輝かせた。
「え~!?同じ高校の子ですか!?嬉しいですね!」
「め、珍しいね、美枝のそのテンション...」
「だって!同じ学年の子ですよ!友達になるしかないですよ!これは!」
「そうゆうもの...?」
「そうゆうものですよ!あなた、お名前は?」
「あ、えっと...三島 凛です」
「凛ちゃんですか!良い名前ですね!私は広沢 三島です!で、こっちが...」
「白雪 赤葉よ、よろしくね」
「よ、よろしくお願いいたします!」
「いたしますって」
赤葉は笑顔を見せた。
「いいよ、そんなにかしこまらなくて赤葉って呼んでね」
「はい!赤葉さん!」
「私は?」
美枝は期待の込めた眼差しで凛を見る。
「美枝さん!」
「はい!」
そんなやり取りをしながら学校に着く。
その後退屈な入学式を終わらせ、帰りの時間、
「赤葉ちゃん!今日は凛ちゃんと友達になれたんだし!お友達パーティーを開きましょう!」
「お友達パーティーはよくわからないけど...まあ楽しそうだし、いいよ」
「そうこなくっちゃ!凜ちゃんも行きましょう!」
「何処に行くんですか?」
「まあ美枝の家は少し遠いし、私の家よ」
「だ、大丈夫ですか...?突然お邪魔して...ご家族の方とか...」
「あ~!大丈夫ですよ!赤葉の親御さんは優しいですから!」
「また勝手に...でもそうね、うちの親はちょっと変わってるけど、良い人達よ。」
いい人達というのは少し気になるが、凛は家庭の事情か何かと思うことにした。
「そうですか...では、せっかくなのでお邪魔させてもらいます!」
「元気ですね!」
「美枝もね」
それから三人は赤葉宅へ向かう。その途中で凜が
「赤葉さんのご家族はどんな方ですか?」
「そうね、一言で言えば優しい変人よ」
「へ、変人。それは、お父様のほうですかね...?」
「そう...そうね、父の方ね。」
(変人...ど、どんな人なんだろう...あ、でも優しいって言っていたし、大丈夫だよね?)
「もうすぐで着きますよ~」
そう言われ凜が顔を上げると、目の前には一軒家が建っていた。
科学の発達が進んだカーボン素材や貴金属を主とする建造物の中では珍しく木造で、ネットで見たシェアハウスのようだな、と凜は感じた。
「じゃあ、中に入ろうか」
そう言って感じ赤葉がドアに手をかけようとすると
「...っ!」
「...あれ?赤葉ちゃん、どうしたの...」
「みんな!離れて!」
「!?」
赤葉が咄嗟に二人をドアから離した瞬間
「ぐっはあぁぁぁぁぁ!!!!」
「!?」
突然ドアが吹き飛び、中から人が飛び出してきた。
「な、ななな何ですか!?」
「ありゃ~」
「はぁ...龍牙、今度は何したの?」
龍牙と呼ばれた男は前髪に自分の娘から貰ったヘアピンを付け、紺色のパーカーを羽織り、胸ポケットには船の錨のマーク、中に入った謎の箱、そして所謂ダサTと呼ばれるシャツを着込み、よくも悪くも質素な出で立ちだった。龍牙は後ろに束ねた青みがかった銀色の長髪を振り
「聞いてくれ赤葉...恵輔がまた爆発物作って爆発させた」
「待った、龍牙。俺は電子レンジを改造して効率よく加熱をだな...」
恵輔と言われた男はリクルートスーツを着、ピシッとした印象だが、寝癖のまま放置した髪がそれを台無しにしている。しかし背中に背負ったショルダーバッグからは形容しがたい異質な雰囲気が出ている。恵輔は龍牙の言葉に弁明をするが
「確かに電子レンジが調子悪いとは言ったが強化しろとは言ってねぇよ!誰が600ワットを2000ワットに上げろって言った!?こちとらパン屋開きたい訳じゃねぇよ!?見ろ!得意の改造でショート起こしてんだろうが!つーかなんだよ!2000ワットって!?」
「お、落ち着いて龍牙。僕も悪かったから...」
「仁は何かやったの?」
仁と言われた男は上も下もジャージ、常にヘッドフォンを首にかけ、一見するとだらしないように見えるが本人の雰囲気からか、あまり不真面目には見えない。仁は申し訳ないと言った風に
「僕は、電子レンジを使ってて、調子がおかしいなと思って、恵輔に修理を頼んだんだ...」
「それって仁は悪くないよね?」
「仁さんは無罪ですね。」
「いや、僕が恵輔に頼んだのが悪かったから...」
仁はうつむいて床を見つめるそれを恵輔は納得出来ないのか
「仁、それじゃあ俺が駄目な奴みたいじゃないか」
「みたいじゃなくて駄目なんだろうが!お前もう勝手に改造するの止めろ!」
「え、それは困る」
「許可とれば改造していいから!頼むから勝手に改造するのを止めてくれ!」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ彼らを尻目に赤葉たちは家に入る
「さ、入りましょうか」
「行きますか~」
「えぇ!?いいんですか!?」
「良いの良いの」
「気にしないでください~」
その後彼らの抗争が終わるのは20分後であった。
理由は多分後々話しますが、龍牙達3人は26歳で共通です。