私の気持ち
今でも出会った時のことはよく覚えている。
夕暮れで赤く染まった神社の境内。朱塗りの鳥居。
私以外誰もいなかった。一人になりたくて、泣いているところを誰にも見られたくなくて、幼い私なりに考えた場所。
泣いている私を普通の狐のふりをして慰めてくれたのが最初だった。
誰よりもこの町や町に暮らす人々のことを愛している貴方。貴方と一緒にいると、両親がいなくなった寂しさを少しの間忘れられたの。
貴方に初めて『お嫁さんにして。』って言った時、すごく苦しそうな顔をしたよね。
きっと、私には分からないことをたくさん悩んだんだと思うし、今も悩んでいるんだと思う。でも、受け入れてくれた。条件付きではあったけど。
私は、この日をずっと待っていた。貴方のお嫁さんに慣れる日を。
色んな人にお別れをして来たけど、あんまり実感はないの。人でなくなっても、貴方の隣にいれるのなら幸せだし、皆に会えない訳でもない。
今日という日を皆に祝って貰えてとても幸せ。貴方は私がどれ位嬉しくて幸せか分かっていないだろうから、これから少しずつでも貴方に伝えていこうと思う。私がどれ程あなたを愛していて、今を幸せに思っているか。
あともう一話だけこんな感じの一人語りがあります