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【第1ステージ】行け! 国枝正志!

皆さまこんばんは! mixiで執筆中の「それ行け!国枝くん」を公開してみました!


^ ^好評なら続きを上げるかもしれません。


とりあえず、第1話をよろしくお願いいたします!

(この物語はフィクションです。作中の人物、地名、ゲーム等、全ては現実と関係ありません)




「行け~国枝正志くにえだ まさし!!」


 店長兼、叔父の坂下鉄板さかした てっぱんから指示が下った。


「いらっしゃいませ! お客様!」


 試供品の提供と馴染みのお客様への挨拶、冷たいビールを18時に特売価格で提供する。


「そこだ! 正志まさし! 名家、国枝くにえだの名に懸けて!」


 叔父のエールに応え、新たなお客様に100円セールのおにぎりを提供していく。名家国枝の男子として果敢に業務をこなした。


 俺の名前は国枝正志くにえだ まさし、31歳。(おの)が身1つで世界を変えるため、日夜この茨城の地でアルバイトをしている。


 今日は『エイトテン』の21時から4時のシフトに入っていた。


 寝静まった街で独り、店外のゴミ箱を片づけようとしたところ、その中身から声が掛かった。


「ゴミ箱からこんばんは。31のおっさん、お主ゲーム好きじゃろ? これやるよ」


 知らないお爺さんがゴミ箱から這い出てくる。曲がった腰が大変だろうと手を貸し、お爺さんへにこやかに微笑む。


「ゲーム好きじゃろ?」


「お、俺ですか? はい! ゲームなら何でも好きです! それより、どちら様ですか?」


「儂か?」


「はい」


「知らぬ方が身のためじゃ。これを受け取れ。ゲームコンバーター、略して『ゲムコン』じゃ! これで余生を楽しんでくれ!」


「はい! ありがとうございます。お家へは1人で帰れますか? タクシー呼びましょうか?」


「そうじゃのう。今、この店で儂に勧めるものとかあるかのう? ギンギンにこの世界を照らした夏の夜じゃ、当然何かあるじゃろ?」


 店内へ戻りビールを差し出す。


「キンキンに冷えた一番搾りがお勧めです! 氷水で冷やしてますからオイシイっす!」


「流石じゃ! 余生をよろしくな!」


 お爺さんは、ビールで喉を潤した後、ビンを俺に手渡すとゴミ箱へと再び消えていった。中を覗くが、そこには回収前の燃える(とされる)ゴミしか無い。お金も受け取っていない。


 ポケットから財布を取り出し自腹で精算しておく。


「ゲームコンバーター。これ、腕に巻くタイプかな? 端子は、よく分からないけど、ファミ○ンのスロットがあるな」


 可変式のスロットが、幾つかの基盤に対応しているようだった。


「お爺さん! ゲームコンバーター、略して『ゲムコン』遊ばせていただきます! ちなみに俺、説明書は読まない派です!」


 昨夜叔父に返してもらったファミ○ンソフト、『スーパーマリ○ブラザーズ』のロムをスロットへ差し込み、スイッチをONへと切り替えた。




→げっとぱわー

 いんざわーるど



眼前? 網膜に現れた表示をさして考えもせず『げっとぱわー』を選択した。




【TIME400】

 スコア0

【残機3】




 網膜上方に表示が浮かぶ。


 そうだ。世界すべてを理解した。俺はマリ○だ! マリ○のチカラを手に入れたんだ!


 敵を踏み潰し、キノコを食い、ゴールを目指す! ただそれをこなせばクリア(帰宅)出来る!


 タイムカードを押して、店長と仲間に一礼。出口の自動扉を潜った時、世界は流れた。


 朝日昇る午前4時、世界に流れるはスーパーマリ○地上テーマ曲だ。


 路上を一歩。踏みしめ更に一歩。指の腹に力を込めて足を踏み出す。この足には大いなるチカラがある。この腕には煉瓦を砕くパワーがある!


「いくぜ! 国枝正志!」


 歩行者道路を奔った。路上、そして横断歩道を赤でも突破。およそ時速60kmで横切る車を体に回転を加え踏み、足場にして更なる跳躍! 宙に浮かぶ煉瓦ブロックを意味も無く破壊! 猥褻な行為をしている刺青兄貴を踏み、更にその仲間を踏み、飛んできた鉄砲玉も踏み、一路、自宅ゴールを目指す。


 ん?


 おい何故だ。何故道の真ん中に土管が在るんだ?


 ……入らざるを得ない! 梯子を無視して落ちていく。


「たまらん臭さだ。だが、俺はピーチ姫を助けねばならん!」


 異臭の中、ジャンプでネズミを避け、蜘蛛の巣をパンチで突き抜ける。そこに在ったブロックを破壊。中から太陽のような光が弾けた。


 無敵スターだ! 胸のポケットにしまい汚い水路を全力で駆け抜けた。


 梯子を使わず、土管内だけ使える技、空中歩法で地上へ抜ける。土管の蓋は何故か閉まっていない。不用心なので閉めておく。


 商店街を抜け、向かってくる893を、イラつかせたチンピラを踏み、絡まれていた少女キノピオを救い、俺は自宅前のフラッグへ飛びついた。


 朝焼けの空に踏破したモノへ贈られる大輪の花が咲く。




【TIME56】

 スコア29600

【残機3】




「ただいま、母さん。今日の俺はマリ○だったよ!」


「おかえりなさい♪ 目玉焼き出来てるからさっさとお食べ」


「いや、今日はキノコの気分なんだ。食事は済ませておくから母さんは先に休んで! シャワーは水ステージに行った時に済ませておくよ!」


 俺は整理されたベットにダイブ。タオルケットの中で緑斑点のキノコを食べながら気が付いた。


 左手の『ゲムコン』と、そのスロットに刺さった『スーパーマリ○』に。


 ヒトは知らない力を前に、屈するだろうか? 悩むだろうか? 身を斬り自決するだろうか?


 答えは否だ。俺、国枝正志くにえだ まさしはこのチカラを制覇くりあする!


ここまでお読みいただき、\(//∇//)\本当にありがとうございました!!

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