24/26
崩壊
「もう、限界だわ。離婚しよ」
あいつは、俺から自由を奪う存在でしかなかった。
俺がそう告げたとき、加奈は泣くのをやめた。
「それがあなたの本心?」
加奈の顔から表情がなくなった。
「莉奈のこと、考えてるの?」
「何となく」
「親権は私がとっていいのね?」
「どっちでもいいよ。まぁ、俺は育てられないけどね」
加奈が俺を睨み付けた。
「面会は?」
「まぁ、会えるときに会えればいいや。」
眠くなってきた。
「とにかく、今日は寝る」
俺は自分の部屋に戻り、眠りについた。
そして翌朝、仕事の前に離婚届を市役所で2枚貰ってきた。
仕事から家に帰ってきたとき、加奈に離婚届を渡した。
加奈が破るのではないかと思って、2枚貰ってきたがその必要はなかった。加奈は黙って、2枚の離婚届にサインをした。
さらにその翌朝、目が覚めると、莉奈のお気に入りのミッキーマウスのぬいぐるみと加奈のスーツケースがなくなっているのに気付いた。
俺からまた、家族がいなくなったんだ…。
そんな現実をじわじわと感じてきた。
考え事をしながら、加奈が残していったものを見つけた。
莉奈が父の日のために作った紙ネクタイ、莉奈の写真がはいったフォトフレーム、結婚指輪だった。
俺はそれらを、段ボールにつめて加奈の実家に郵送した。
それらに何の愛着も湧かなかった。
これから、自由に生きよう。




