ヨコシマなスイカ
<決意>
これから一刀両断にしてやる。決してスイカ割りなどに参加させてもらえないのだから。縦縞のスイカは一刀両断されるがヨコシマなスイカはする方にまわることにした。以前ならスパッと割られたかった。憧れた。目隠しされた人間に熱い砂浜でこれでもかと言わんばかりに棒で殴られ、なかなか割れずに最後は目隠しを外し、ぐちゃぐちゃになるまで襲ってくる執念の恐怖に本当に憧れた。最後にはみんなに甘い汁を吸われながら笑顔になってくれる人間の血になって生きられるのかと思うと、興奮を抑えきれなかった。でも、今人間たちはヨコシマなスイカに恐怖を感じ、広い畑の隅に追いやりやがった。身動き一つ取れずに憂鬱で、そして退屈な時間を過ごすことに耐え切れなくなった、ヨコシマなスイカはこれから真実という刃で全てを切り捨ててやることに決めた。
ヨコシマなスイカが生まれたばかりの夏の決意だった。
ところで、
「ちゅ~うちゅうちゅちゅ」なのか
「ちゅう~ちゅちゅちゅちゅ」なのか、夏のお嬢さんよ・・・
頼むからこの幼気なスイカに真実を教えてはくれまいか。でないと、地下鉄がどこから地下に入ったのかという疑問程に眠れないんだけど。
By thank you & Teruyo.