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+序幕+ ──語られなかった物語
例えばの話。
在ったかも知れない世界での話。
そう、それは──、
今、キミの目の前で《何か》が起こるということ。
今、キミの目の前で人が死ぬということ。
今、キミの目の前で世界が終焉の時を迎えるということ。
今、キミの目の前に《全てをやり直し、世界を終わらせない可能性》が残っているということ。
その時、キミは────。
──全ては可能性の話。
答えなんて最初から無いようなもので、
泡沫に紛れる光のように不確かで、
それでいて……暖かいもの。
そんなもの。
世界なんて所詮、単純に構成されている。
そんなこと、解りきっていた。
けれど、否、だからこそ、追い求め続けている。
繰り返される日々を抜け出すことを信じて。
もし、《未来》が存在するのなら。
その未来に全てを託そう。
そうして世界は逆さに廻り出す。
終わることの無い、輪廻の先へ。






