前編
3話で完結です
お風呂で滑った瞬間前世の記憶が流れ込んで寝込んでしまいました。目が覚めると生まれ変わった事を納得している自分がいます。
今の私は、引き籠り気味の貴族令嬢です。双子で生まれ妹は美少女、私は普通で何時も比べられ馬鹿にされ続けたため、人が信じられなくなった。婚約者も居たが、妹の方に変えてくれと言われている。
兄弟姉妹も沢山居るが、私に優しくしてくれるのは一番上の姉様だけ。今度その姉様もお嫁に行くらしい。
「ミリアリア大丈夫?」
記憶が流れ込んで辛かったけど今は楽になったわ。
「大丈夫です、フローリアお姉様ありがとう。」
この姉様だけが私に昔から優しい人。
「良かった、この果物美味しから食べてね。」
気遣いお見舞いをくれる。
「はい、お姉様いただきます。」
お姉様が、今日侯爵家に嫁いで行った。幸せそうな顔をして綺麗だった。家が決めた政略結婚でなく、恋愛結婚で侯爵様がベタ惚れらしい。
うーん死ぬ前三十過ぎ私枯れてるな。今更恋愛したいと思わないどうせ親の道具として何処かに嫁がされるだろうし、落ちこぼれな私に、そういい話などこないかも。記憶が戻った今の私はどうでもいいと思ってる。
妹が、取り巻きの男達とこっちにやってくる。嫌だな!今更だが、妹は顔は美しいが性格は悪い、わずか七歳にして男達を虜にしている。
「お姉様お聞きになりまして?イアン様は、私を婚約者にとお父様
へお願いされましてよ。」
勝手にすればいいと思うわ。興味ないし。
「ええ、ローラの方が自分に相応しいと言ってらしたわ。」
そんな事言ってましたね、初めからローラを選べば良かったのに。
「お姉様はそれでよろしいの?私は、イワン様の事は何とも
思ってなくてよ。」
私を見下したいのでしょう。好きな様にすればいいわ。
「美しいローラの方がイワン様には似合っているわ。」
移り気な二人はお似合いだと思うわ。
「ふふ、ご自分を知ってますのね。普通なお姉様より私の方が全てにおいて秀でてますもの」
普通でも気にしないわ。貴女の方ができるのは、本当のことだもの。
「そうだローラの方が美しい」
そうね綺麗だわ中身はしらないけど
「ローラには到底およばない」
言いたい放題言って向こう側に行ってしまった。妹の相手をするのは毎回疲れる、嫌味しか言えないのだろうか?
面倒臭いので何時も適当に流している。昔は怯えていたが精神年齢が高くなった今では七歳児の言うことなど気にならなくなった。
そんなくだらない毎日を送ってたある日、姉様が妊娠したと両親が喜んでいた。時期を見て私もお祝いを言いに行きたい
「お母様お願い!お姉様のお祝いしに行きたいの!」
良くしてもらったのだからお祝いくらいしたいわ。
「貴女が外に出たがるなんて珍しいわね。」
母親が、珍しく大きな声でお願いする私に驚いたようだ。
「お願いお母様!」
一生懸命お願いしてみた。
「はあ、仕方ないわねもう少し後でなら連れて行ってあげるわ」
なんとか連れてってもらえる事に成功した。
「ありがとう!お母様!」
臨月になって、やっと時間の出来たお母様達と侯爵家にむかいました。あんな酷いことが起こるとも知らないで馬車に揺られて進んで行きます。