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詩集

波に浚われた心

作者: ロースト

波にさらわれた私の心


まだ誰も本当の私のことを知らない

私自身、自分のことを何も知らない

私は空っぽなのだ。

決して、誰も私の心の中へは入ってきていない

誰がこの私の心を変えてくれるだろうか

私はその人を待っている


私は心の海で波を立てて彷徨っている

私自身の真実を見つける船旅を続けているのだ

波は寄せては引いてを繰り返し、私を岸まで運ぶことはない


ひたすらに深い蒼の大海を波に揺られ続ける

でも、そのうちに自分の行くべき道を見失ってしまったのだ

波は私をどこへと誘うのか

抗う術をしらない私は身をゆだねる


木船の上、寝転び目を瞑る

狭い空間の中

視界からの情報が絶たれ、感覚は聴覚へと研ぎ澄まされていく

身体の感覚は抜けていく

静かな波音に眠りを誘われる

その音色はものがたりのようで、子守唄のようで


何かに祈りの言葉を贈る

それは海でも、心でも、自分でもあり、透明な風

私を見つけてくれる人へかもしれない


意識は波にさらわれるようにすっと消えていく

かすかに暖かな想いを胸に抱いて


まだ誰も本当の私のことを知らない

誰がこの私の心を変えてくれるだろうか

誰も私の心の中へ入ってこないかもしれない

でも、それは私が目を瞑りすべてを拒んでいたからかもしれない


ゆっくりではあるけれど、私の心は動き出していた

映りゆく景色、あまりにもゆっくり過ぎてわからなかっただけ

本当は新しい自分がそこにいた


私を乗せた船は未だ止まることを知らない

それでも確かにどこかへと引き寄せられていっている

ほら、ちゃんと目を開いて


聴覚だけでなく、視覚だけでなく、身体全体で感じて

海はもう果てに来ているのかもしれない

この心の海に私は迷っていない


はっきりとはしてなくとも

もう、心に目標が、行くべきところが浮かび上がってきているでしょう

すぐにわかるようになる


まだ誰も本当の私のことを知らない

私自身、自分のことを何も知らない

私は本当の私を知りたい

今はまだ、誰も私の心の中へは入ってきていない

誰がこの私の心を変えてくれるだろうか

私はその人を待っている


旅はまだ続いている

この穏やかな波も私と一緒に

波は寄せては引いてを繰り返し、船は進んでいく


私は本当の自分を知るため船に乗っている

この船はどこに向かっているのだろうか

それはもう、私の心に在るはず

新しい自分を見つけるために


波は寄せては引いてを繰り返し、

意識は波にさらわれるようにすっと消えていく

かすかに暖かな想いを胸に抱いて


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