知らせ
奏多と別れた夜俺はひどく落ち込んでいた。
[俺は主人公じゃなかったか。ちょっとでも期待した俺がばかだった。手違いでもこんな世界経験することできないからレアなのかな、、、]
俺はそう思うことで孤独と悔しさを何とか忘れようとした。
だがやはり怒りが湧いてきた。
[なんだよ職業なしって。魔法だって風魔法のレベル3までが上限だし、扇風機程度の風しかでねーよ、、、]
俺はもう自分がわからなくなってきた。そしてなんとか眠りについた。
朝になった。俺は夢を見た。その夢では俺が主人公で奏多が俺の立場にいた。
[なんでこのタイミングでこんな夢見るんだよ、、、朝から気分悪いな]
だが俺は一夜明けると、怒りが消え奏多を純粋に信じる気持ちへ変わった。
一週間が経った頃、さっそく奏多がテレビに出てきた。
圧倒的な強さで一つ目の地域を攻略したらしい。
俺はそのニュースに嫉妬もありながら、純粋に喜んだ。
[俺はしょせん脇役なんだ。主役の奏多を信じて待つことしかできない]
俺はただひたすら奏多を信じて待っていた。
何もすることなく待っていた。
そして数週間が経った、
あれからニュースはやっていない。どうやら奏多は少してこずっているようだ。
[最近は俺もすることがなく、走ったりしてトレーニングをしている。]
さらには、毎日のように自炊していた俺は料理系の魔法を覚えることができた。
しかし戦闘では役に立つはずもない。
[いったいいつまでこんな生活が続くのだろう。いつになったら帰れるのだろう]
俺は次第に不安が大きくなってきた。
そう考えているとついにニュースがきた。
しかしそれは、制覇したはずの地域から新たな優勝者が誕生したというものだった。
[どういうことだ。奏多は何をしているんだろうか。]
[奏多ほど強いやつが負けるなんてなんてこいつは強いんだ。]
俺は少し軽く考えていた。しかし優勝者のインタビューを聞いて少し嫌な予感がした。
優勝者「決勝が不戦勝で終わったのであんまり勝った気がしません。」
『は?どういうことだ』
奏多に電話をかけてもつながらない。
その時速報が入った。あるダンジョンで変死体が見つかった。しかし損傷が激しく身元の特定ができない。
だが俺はそのニュースでとんでもないものを見た。その死体が握りしめていたものが、俺と奏多が大好きだったゲームのキーホルダーだった。
俺はその場で固まってしまった。。。。。。