はじまり
俺はゲームとアニメが好きなただの高校生だ。すべてが平均よりも少し上、特別優れているわけでもなく、特別劣っているわけでもない。友達も多いわけでもなく、少ないわけでもない。楽しくもつまらなくもない人生を歩んでいる。だがそんな俺の人生にも少しだけありえないようなことが起こった。そんな話だ。
携帯のアラームが鳴り響く。毎日決まって6時半に起きる。母はいないためリビングに行くと父が弁当を用意している。
父「今日はバイトあるのか?」父がいつものように聞いてきた。
『今日はないけど友達と食べてから帰るよ』これもいつもどおりだ
こうしていつものように、片道1時間をかけて学校へ向かう。見慣れた景色、しかし[来年で卒業か]そう思いながら学校へ着く。時間ギリギリで着くため、話す暇もないまま出席がとられる。
「佐藤恵」(さとうけい)『はい』
このたびに俺はもっと珍しい名前がよかったと思う。朝のホームルームが終わると、友達が話しかけてくる。
奏多「今日バイト?」
『ある』
奏多「終わったらゲームしよ」
『じゃあ終わったら言うわ』
最近は同じ日を繰り返してるのでは、、。と思うほど変わらない。
授業が始まるといつも妄想している。誰にも言えるわけはないけど。
(妄想)いきなり強い光が差し込んでくる。目を覚ますとあたり一面が森、そしてゲームのステータスのような画面が見えている。そこには、職業、魔力、HP、防御力、攻撃力が書いてある。俺は、もちろん、勇者で、魔力もカンストしていて、その他の能力も底知れないくらい高い。さらには魔法も全属性使えて、チート級のキャラクター設定になっている。しかし俺は最強だとばれないようにわざと弱いふりをしたりする。主人公のように。そして様々なダンジョンを攻略するにつれて、仲間もどんどん増えていき、ハーレムが構築される。アニメの主人公は大体こうだ。さらに仲間を引き連れ………
先生「・・・・いうことで今日は17日だから、17番佐藤、この問題を解いてくれ。」
[俺の妄想じゃましやがって、、、]そうは思っても、この場でそんなことが言えるわけがない。
『わかりました。・・・・・・・」簡単な問題だったため間違えずに解けた。
[もうそろ授業も終わるし、次の授業でまた妄想するか、]