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第26話 「うさぎと黒塚先輩の心境」

昼休みの教室。座白冬は、机に突っ伏して静かにスマホを見ていた。SNSのタイムラインを適当にスクロールしていると、後ろから黒塚夏先輩の声が聞こえた。


「座白くん、うさぎは好き?」

唐突な質問に顔を上げると、先輩はいつもの無表情のまま、自分の机の端に座ってこちらを見ている。


「……嫌いじゃないですけど。急にどうしたんですか」

「うさぎってね、寂しいと死ぬって言うでしょ?」

「ああ、聞いたことありますね。でも、迷信らしいですよ」

冷静に答えると、黒塚先輩は少し驚いたように目を細めた。


「さすが座白くん、物知りね。でも、本当にただの迷信かしら?」

「……いや、科学的にそうだって聞いたんで。ただの俗説ですよ」

「ふーん。でもね、寂しいとうさぎが健康を害するのは事実なのよ。例えばストレスで免疫力が下がったり、とかね」

「……それ、寂しいから死ぬって表現するのが大げさすぎませんか?」

「大げさじゃないわ。例えば……」

黒塚先輩は少し間を置いて、いたずらっぽい目で座白を見た。


「私が寂しくて死にそうになったら、どうする?」

「いや、どうするも何も、死なないでください」

「ふふ、でも座白くんに看病してもらえるなら、寂しくても悪くないかも」

「……僕はうさぎの話をしてたと思うんですけど」

呆れたようにため息をつきながらも、座白は黒塚先輩のペースに巻き込まれている自分を自覚した。


「寂しい時に支えてくれる人がいるって大事よね、座白くん?」

「そうですね。でも、先輩は支えられる側じゃなくて、支える側っぽいですけど」

「どうかしら?」

黒塚先輩は少し楽しそうに微笑み、座白に向かって小さく手を振った。


「じゃあ、また寂しくなったら声をかけるわね」

「……なんですか、その宣言」

座白は苦笑しながら、再び机に突っ伏した。


うさぎの話だったはずが、気づけば黒塚先輩の不思議な話術に引き込まれていた。気まぐれで、けれどどこか心地よいその空気を思いながら、座白は軽くため息をついた。

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