第22話 「カフェインと黒塚先輩の習慣」
放課後の校庭のベンチ。夕陽が赤く染まる中、黒塚先輩が缶コーヒーを片手に座り、ふと話しかけてきた。
「ねえ、座白君」
「……なんですか」
「カフェインって、どれくらい飲むと危ないか知ってる?」
座白は黒塚の手元の缶コーヒーをちらりと見ながら答えた。
「……1日に400mgが目安だと聞いたことがあります。大人ならそれくらいまでは大丈夫だとか」
「へえ、結構詳しいのね」
黒塚は感心したように頷きながら、缶コーヒーを振って軽く笑う。
「じゃあ、この缶コーヒーにはどれくらい入ってるか分かる?」
「たぶん、一缶に100mg前後じゃないですか。飲みすぎなければ大丈夫です」
その答えに、黒塚は少し考えるような表情を浮かべた。
「ふむ、それならもう1本飲んでも平気ね」
「……先輩、それ以上飲むと夜眠れなくなるんじゃないですか」
「かもね。でも、私、意外とカフェインに強いのよ」
黒塚は微笑みながら、もう一口コーヒーを飲んだ。そして、ふと思いついたように問いかける。
「ちなみに、座白君はカフェイン取るタイプ?」
「ほとんど飲まないですね。コーヒーも紅茶も、あまり好きじゃないので」
「ふふ、らしいわね」
黒塚はその答えに満足げに微笑むと、続けた。
「でも、カフェインって面白いと思わない? 目を覚ます効果があるのに、飲みすぎると逆に体がだるくなる」
「……それは確かに不思議ですね。でも、適度に取れば便利な成分だと思いますよ」
座白の冷静な言葉に、黒塚は軽く笑った。
「そうね。適度が一番大事。でも……」
「でも?」
「たまには少しだけ限界を試してみたくなるのよ」
その意味深な言葉に、座白は小さくため息をついた。
「……先輩、それで次の日に後悔しそうですけど」
「ふふ、そうかも。でも、そういうのも悪くないと思わない?」
黒塚の無邪気な笑顔に、座白は軽く肩をすくめた。夕陽に染まる空の下、二人の会話は穏やかに続いていく。
https://youtu.be/82EOG9PN04A




