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プロローグ:幼いころの口約束と再会

おひっさ~。

『ねね!!サク!!おっきくなったらさ~………』

『うん、いいよ。おっきくなったらね~。』


「うんっ………なんか、久しぶりな夢を見た気が………。」


 記憶の片隅にある想いでが駆け巡った。俺、金木朔斗かねぎさくとは背伸びをしながら学校へ行く準備をゆるりと始めた。


「おはよう!!サク!!」

「おう。おはよ、開。それと、久しぶり。」

「いやいや、そうでもねえよ!!春休み中結構遊んだだろ!?」

「確かにそうだわ。」


 学校の道を歩いていると、同じクラスで仲のいい友達、樫本開かしもとかいが元気よく肩を組んできた。正直暑苦しいけど、悪い気分はしなかった。


「なぁなぁ、サク!春休みの宿題って終わってる??」

「もちろん。………お前、まさか。」

「頼む!!一生に一度のお願いだ!!俺に宿題を見せてくれ!!」


 そんなことだと思ったよ。どうせやってないと思っていたがやっぱりやっていなかった。

「はぁ~。お前さ、そんなこと言って去年の夏休みも冬休みの時もねだってたよな~。」

「ギクッ、そ、それは…」

「それで、どれくらい終わってないんだ?」

「全部!!」

「………もう大人しく先生のカミナリに打たれとけ。それはもう無理だよ。」

「そんなぁ~………サクぅ~。」


 開はそう言いながら俺に抱き着いてきた。ちょっと、イラっとしたので強めに拒否反応を示しながら通学路を賑やかに通り過ぎていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 そこから、厨二病大歓喜の強盗やら敵が侵入するイベントは無く、オタク大歓喜の美少女転校イベントがあった訳でも無く、始業式は終わりを告げた。

ただ、転校生が来なかったわけではない。実際に来ている。まぁ、美少女かって言われると………ね。(男だった。しかも見た目が中性的な)まぁ、よくあるよね。


「サク~どっか寄り道してかん?」

「ワリ、今日俺家の用事あるから、帰るわ。じゃあな~。」

「おう!!じゃあな~。」


 俺は、カバンを肩にかけてクラス替えのあった教室から出て通学とは反対の方向へ歩き始めていった。


「帰ったら、道場の掃除してアップして………基礎稽古をメインに今日はやろ。最近疎かにしてる感じだし。」


とか、独り言を呟きながら急ぎ足で家へ向かっている時だった。目の前にいる女の子がフラフラと歩き始め、左足を引き摺っていた。それと同時に、交差点の信号機の目の前で耐えきれず、蹲り始めた。


「大丈夫ですか?」

「あっ、だ、大丈夫です!!」

「………って、えっ??ことね!?」

「さ。朔斗!?どうしてここに!!」

「いや、家に帰るところだったからさ。それよりも、足大丈夫か??何したの?」

「い、いやぁ~自転車と衝突しかけた時に避けたら思いっきり足首ひねっちゃって。」


 目の前にいたのは、幼馴染で家が徒歩2分圏内にいる少女、桜木ことねだった。


「う~ん、歩けるか?」

「もう無理!痛すぎる!!足が!!」

「分かった分かった。取り敢えず、おんぶは今きついから肩に掴まれるか??」

「うん!わかった。」

「………(やっべ、何か色々とやらかしてる気がするよ。ホントに。でもアッチは何かそんな感じじゃ無さそうだし。)

「////な、何さ??」


 うん、終わった。よく考えたら。この状況は普通にありえんよ。けが人であっても、幼馴染で思春期の男女。そりゃあなぁ~。モヤッとしながらも、ことねの今の痛みに比べたら恥ずかしさややらかしよりも心配が勝った。


「家まででいいか??」

「う、うん。」

「じゃあ、行くぞ。痛かったら言えよ。」

「分かってるよ!!じゃ、じゃあお願いね///」


 そう言ってことねは肩を掴み俺はゆっくりと帰り道を歩き始めていく。幼馴染と帰るのは大分久しぶりだななんて、少し思いながら夕陽を見つつ赤くなっている頬を誤魔化していた。 




のんびり更新なんでよろちゃん。

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