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16.夾竹桃 ※アナスタシア視点

私の人生は順風満帆な筈だった

平和な村

優しい家族

優しい村の御近所さん

美味しいごはん

戦争なんて縁のない広々とした土地

水不足なんてものも存在しない


そんな平和な村


「アナスタシア!ちょっと森に薬草を取ってきてくれるかい?」


母親はそういった

森は危険なとこ、そう教わった

でも ここは違うらしい

私の近くにある森 それは比較的弱い種しかいない

例えばゴブリン・スライム・オークとか

強い種のドラゴンとかオーガとかいないから安心だね

でも最近コカトリスが異常なぐらい減ってる気がする なんでだろ?


アナスタシア「はーい!」


そして 私は薬草を取るための袋を持ち 家を出ました


「お アナスタシア薬草取りに行くのか?」


アナスタシア「うん そうだよ?」


「そうかぁ 気をつけろよー!」


アナスタシア「大丈夫だよぉ 私でもどうにかできるぐらいのやつしかいないからね」


「確かに アナスタシア強いからね」


「あそうだ 聞いたけど魔法学院に入学するんだって?」


アナスタシア「はい!楽しみです!」


「そうか こんなちっぽけな村から魔法使いが出るんて名誉なこった 頼りにしてるよ」


アナスタシア「ありがとー!じゃあね!」


この時は 少し天狗になってたかもしれません

周りに魔法使いがいないから魔法使いなだけで褒められる

そして 魔法学院にも入れる

この森では敵がいない

その筈でした


アナスタシア「...なんか 生物の気配が無いような....」


普通の魔物がいないのは何よりなんだけど他の小動物が見えない

前まで3匹は見たのに...なんで?


アナスタシア「あっ!あったー!」


薬草を見つけた!意外とこういう近いとこに生えてたりするんだよ


???「グワァァァァぁ!!!」


なにこれ...鳴き声


アナスタシア「こんな鳴き声聞いたことない....なんだ?」


ゴブリンでもない

オーガでもない

普通の小動物でもない

コカトリスでもない

スライムでもない

私があったことある生物ではない


なんだ?

なんだ?

なんだ?


アナスタシア「逃げないと...!!」


何か嫌な予感がする


アナスタシア「ヤバいヤバいヤバい!!」


私は 森に向かい走り始めました


「グゥゥゥ...!」


ヤバいヤバい

地が揺れてる

絶対ヤバい

私が勝てる訳ない


アナスタシア「もうちょっと...!」


もう少しで森を抜ける

そのタイミングだった


「グイィィィィ!!」


アナスタシア「きゃっ!」


私は目を疑いました

赤く 私の身長の数倍はありそうな翼

鱗で覆われ 剣で攻撃しても傷一つ付かなそうな胴体

象徴的な角


そうです

私が見たものは ドラゴンでした


アナスタシア「やめて...!!」


もう無理だと思いました

でも


アナスタシア「私には魔法がある...!」


アナスタシア「'ファイアーボール!'」


右手に炎を出し 相手の右翼に当てようとしました


「グゥ!」


当然のように避けられました

いやぁ 無理だと思いました


アナスタシア「...これはもう」


アナスタシア「ダメかも...」


でも それは悔しい

絶対 一矢報いたい


でも 普通に考えたら勝てるわけない

ドラゴンなんて存在はSランク冒険者でも苦戦し ようやく勝てる

私みたいな雛が勝てる存在じゃない


だけど

だけど!!!


私の住んでる村と森との距離は短い

だから


アナスタシア「助けてー!!」


必死に叫んだ

じゃないと私が死ぬ


「グワァァ!!」


あいつは思いっきり攻撃してきた


アナスタシア「ぐっ....」


避けかけた

なのに

私の右手はもう 切れそうだった


アナスタシア「まだ...!」


アナスタシア「助けて...!」


「グギャ!!」


あいつは私に向かって爪で襲い掛かってきた


アナスタシア「っ!炎操!」


死にそうなときってのは馬鹿力が働くもんで私は炎の塊を出し超スピードで相手の攻撃を防ぐような形にした


「グ!!」


当たった


私「よしっ..!」


私は走り出した

村に向けて


相手はスタンしている

大丈夫

数秒なら稼げる


アナスタシア「逃げろ逃げろ逃げろ!!!!!!!」


でもこのまま村に逃げると村に被害が出る


だから


私はあいつの視界になく 体一つ隠せそうな木に隠れた


アナスタシア「お願い...」


もう私は祈ることしかできない


「グゥ....」


歩き回ってる

それだけが分かる

来るな

来るな

お願い

来ないで


神様

お願い


アナスタシア「っ...」


足音が近い

無理無理無理

怖い怖い怖い


「グギゥ...?」


足音が遠のき始めた!

やった!!


アナスタシア「よっし...!」


小声でそうつぶやく


少し見てみよう


チラッ


アナスタシア「いない..!」


あいつがいない

やった!

やったやったやったやった!!


生きれた!!やった!!!


アナスタシア「村に戻らないと...!」


正直 帰り途中も来るかと思ってヒヤヒヤしながらも私は帰った

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