10.決戦①
私はユダに向けて槍を放った
筈だったがなぜかユダと私の中間ぐらいの距離で槍は空中で止まっている
奈央[なんで...?]
ユダ[リネーラ 君これ多分私の心臓貫くぐらいの威力で調整したでしょ]
奈央[は...?そんなわけ]
ユダ[いいや これは確実だ 君もまだまだだね]
奈央[いやでも...そんなわk]
ユダ['睡眠魔法']
私は寝てしまった
なぜ空中で止まっていた?
時に干渉する物はダメだからそれではないとしてだ
んー
わかんない
なんだ?
なにかを置いていた気もしないし音もしてなかった
これわかんないとその時に殺されるぞ...
[...おちゃん! 奈央ちゃん!]
奈央[んー?サキ!おはよう]
[ねぇ!なんでこんなとこで寝てるの!]
奈央[いや なんでもないよ... 心配しないで]
[私はね!心配なの!市民の方が宿まで連れってくれたけどなんであんなとこで寝てたの?]
奈央[あー...酔っぱらった...からかな]
もちろん嘘だ
死の危険性があることをサキには話せない
あれ?
なんかポケットに入ってる
手紙だ
「起きたらその夜 通りに来い 決戦をしよう」
あー...そういう感じか
奈央[ねぇサキ 地図買わない?]
サキ[へ?なんで?]
奈央[私方向音痴だからさー 買って起きたいのよ!]
サキ[わかったけど....]
地図を買った
意外と複雑だ
今ここは南西から斜めに通っており所々で交差している
私がいる場所の奥にもうちょっと行くと大きい広場がありそこから5つに分かれている
北東、東 東北 西 南の5つだ
北東は鉄道の駅に(博物館とかもある]
東は飯屋が多くそのまま行くと川にかかっている橋がある
北西は緑地へ(地下鉄がある]
西は旧王の宮殿がある 一番なにもないかも?宿は多いけど
南は一番なにもない トラファルガー広場っぽい物を過ぎると教会がめちゃくちゃある
まじでロンドンっぽいんだよなー この町作ったのイギリスの人なのかな
だって大きい広場って多分イギリスの誰かの像っぽいもん
像は無いものの道の交差がまさにソレ
意外と裏路地多いんだなぁと思いつつも
奈央[ねぇサキちゃん]
サキ[なぁに?]
奈央[今何時?]
サキ[こっちの暦じゃ大体15時だけど....地球なら19時ぐらいかな]
あ そうだ 時間が違うんだ
厳密にいえば 地球もこの星も全て同じ宇宙に存在しており、パラレルワールドも全て同じ宇宙に存在している
だから時間自体は同じなのだ
ちなみに時に干渉する魔法使えないのもこれが理由
地球は太陽暦だがここは月暦をつかっているとか
不思議だね
まぁそんなことはどうでもいいわけで
奈央[サキちゃん]
サキ[なーに?奈央ちゃん]
奈央[私のこと好き?]
サキ[大好きだよ!!]
奈央[そっか....そうなら良かった]
サキ[そんな最期の言葉みたいな やめてよー!]
まぁ実際私が死ぬ可能性もある
神は死なないと思われるかもしれないが実際馬鹿強いから死なないだけで普通に死ぬ
でもたいていの事だと死なないよ?
飛び降り、四肢の傷とかそういうのは死なないよ
普通の人間並みだったら務まらないからね!
まぁ....
ほんとに最期かもしれないから
大好きって言ってもらえてよかったや
いや頑張って勝つけどね?!
だってあいつは私がいちばん言ってほしくない言葉を言ってくれたからね
精一杯殺さないと
神だからね
サキ[ねぇ奈央]
奈央[どうしたの?1]
サキ[眠ってた前 ほんとになにがあったの?嘘は見抜けるよ私は]
奈央[あぁ...そうだね 言うべきだね 私はユダと話した]
サキ[?!うそ!]
奈央[ほんとだよ 全て話そうか]
私は全てを話した
あいつは道徳が外れていること
明らかにサキを狙ったやつはユダってこと
言っちゃいけない言葉を言ったこと
あいつには魔法が使える事
サキ[なるほどね....相当ヤバいやつだね!]
奈央[きっぱり言うねサキちゃん!]
サキ[そんで 戦うの?]
奈央[んー 迷ってるんだよね 全力で戦える状態なら殺せると思うからもうちょっと後かな]
サキ[そっか...戦うとしても私も一緒ね?!]
奈央[はいはい....大丈夫だよ]
まぁ
ほんとは戦うんだけどね...
実際サキに不安はかけられない
だから私は女神としてあいつを殺す
必ずだ
数時間後
サキは寝た
今日は満月だった
時は丑三つ時になり灯りは私を照らしている
凄い良いムードじゃないか?
君も思うだろ?
奈央[なぁ?ユダ]
返答はかえって来ない
奈央[はやく出てきなよ いるのは分かってるよ?]
ユダ[意外と早かったねー ]
奈央[あんたが来いって言ったんだろうが....]
少し呆れると私はでかい鎌を作り出す
ユダ[そうだ 一つ質問をするよ 私の能力はなんだと思う?]
奈央[狙いを定めた者に魔法を使えなくさせるとか?]
奈央[私からも聞きたいことがあるんだけど]
ユダ[聞いてあげるよ なに?]
奈央[ここの不審死の犯人 お前だろ]
ユダ[よく分かったねー まぁ そんなん聞いても勝てないと思うよ?]
奈央[なんでだ?]
ユダは私の周りを一周しながら返答を考えている
どうして回っている?
狙いがある?
ユダ[そうだねー 私の能力がわからないからかな!]
殺気を感じた
切りにきてる?
そんなわけない
だけどとりあえず弾かないと
私は鎌で回りを切る
奈央[いっ?!]
切られた
直線の切り傷だ
奈央[どういうインチキ使ってんの...?]
ユダ[んー なんでしょうねー]
私は理解できなかった
確かに'なにか'を切ったはずだ
自分でもわからないが切った感触はあった
もう一回食らおう
わざとね
私は走った
広場まで全力で走った
ユダ[お前どこまで行ってんの?逃げるとか女神とは思えないぞお前]
まぁそうだろうなぁ
まさか目的があるなんて思わないだろう
私は東に向かっている
東にはなにがある?
そうだ
ユダ[追い詰めたぞ リネーラ ここでお前を殺して私は神殺しとして生きていくんだあはははは!]
奈央[こりゃ追い詰められたな]
私は広場の像に背中を寄せている
追い詰められたのだ
攻撃が来ると感じた私はしゃがみ鎌で自分のとこにきた'あれ'を切っていく
像は'糸'で切られたようなかんじで壊れていた
やっぱりか
おかしいと思ってたんだよ
最初の攻撃だってそうだったんだ
直線の切り傷は糸で切られた跡だった
それと東の広場に向かっている途中足に激痛が走りかけたことがあった
つまりそのときは糸を引っかけていた
なるほどね
つまりこいつは糸使いだ
つまり天使ではない
絶対に殺す
手の内が分かったなら圧倒的に私が有利だ
私が知る一番残忍な方法で殺してやる