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槍の又左一代記  作者: 依田cyber良治
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信長という存在

前田利家と別れた柴田勝家は安土桃山城へ立ち寄る

安土桃山城の織田信長の書斎や寝所には、大量の書き置きが残されていた。野望に燃えるその文面はある日を境に違う側面を見せ始める。


《又左の奴め一皮も二皮もむけたか…もののけにでもとりつかれたのか?未だにわからぬ》


《又左の武の力は天下無双のものなり、その知略天下万民をして勝るもの無し》


《又左の作らせた武具全てが天下統一を加速的に早めた諸国は戦わずして降伏し服従の意を示した誠に驚きである》


《驚かさればかりなのもシャクなので、予定を早めて開幕し、大政奉還、民主主義議会制度の勅命を天皇に下して頂き又左を驚かせてやろう、(加賀以外笑笑)》


《又左が右左という未来人だと慶次郎から連絡があった。これですべての合点がいった。》


《右左はわしに素っ気ない…切ないが慶次郎の言うことは誠のことであろう》


《右左が帰国した、呼び出して話おうてみたが…わしの野望など右左の世界的な視野の元に置いて見れば小石同然じゃな》


《又左、いや右左にやらせてみること全てが的を正確に射抜くように物事がすすみよる、誠に小気味よい》


《右左は猿を殺しおった…問い詰めてもこちらの身が危うい。ここは穏便にやりすごすべし》


《右左の築いた大陸との交易は予想外の富を織田家一党にもたらした》


《征西の遠征は、織田信長の名で行うはずが正親町天皇が密航するという珍事のおかげで神武天皇の東征の現代版となってしまった。致し方なき》


《それにしても右左は何語でも話しよる!なんと面妖な!》


《やっと敵艦隊が現れたのに現れたのに!右左は海獣を用いて蹴散らせてしもうた!もうあれは人間技ではなかろうに》


《とうとううっすらと光り始めよったぞ!!》


《正親町天皇まで籠り始める始末じゃ、わしのすることはないのか?》


《不殺天下布武は不可能と知り右左の絵図面に乗ったが無し得てしまいそうじゃ!》


《世界評議会は見物じゃった、あれは神憑りの右左だけが成し得る業じゃわい!おかけで4年間も、この織田信長が初代日本国首相と評議会議長を勤めなければならなくなった!殺す気か!?》


《帰国前の憂さ晴らしに鬼丸国綱号の波動砲の試射をせねば胸の内が止まらん!》


《あの、水柱を見て余は満足じゃ、ということにしておいてやろう》


《ん?右左は消え利家が戻ったと!いじめてやらねばきがすまん!…なぜじゃ!?利家の武はあれほどではなかったろうに…手が出せん!無念!》


《よし、未来の右左にいたずらすることにしよう、手もつけられぬような資産を残してやるのじゃ!これは褒美という名の当て付けじゃ!われながら傑作》


柴田勝家はしみじみと信長の走り書きを読んでいた。右左が羽柴秀吉を暗殺していたとは…。


そして、右左の山のような書状に付箋がしてある部分があった。なになに。


《信長さまの名で中国毛利攻めをしていた、羽柴秀吉から救援の要請が信長公にあり、先方を明智光秀とするよう記載されてあるでしょう。しかしこれらは全てが陰謀です。秀吉が明智光秀をたぶらかし本能寺に置いて信長公を暗殺する計略でございます。しかも秀吉はそのたぶらかした明智光秀をも討ち取り天下人を自称するようになり、現実化してしまうでしょう》



なんと!あの猿め!なんて恩知らずな!


《その後、徳川家康、今は松平ですが。天下を羽柴改め豊臣からむしりとります。そして世界との交易は縮小され信長さまが廃止した関所は厳重に敷設され日本は数百年も世界から孤立し、後れをとり、とどの詰まり外圧により開国、尊皇攘夷、大政奉還、明治維新へと駆け抜けます》


ざっくり読んでるがすさまじい歴史じゃの


《明治維新が発足しますが、大日本帝国となり、天皇を現人神とした体制を敷き朝鮮半島、支那、インドネシアなどを併合および直轄下に置いたところでABCD包囲網という経済封鎖をひかれ日本は開戦を余儀なくされます》


穏やかではないな。


《そのあとは今は誕生してもないアメリカ合衆国との開戦をし大都市への絨毯爆撃や沖縄上陸戦、原子爆弾2発を投下され軍属、民間人あわせて約300万人もの犠牲者を出し無条件降伏と相成りました》


硫黄島玉砕?神風特攻隊?いったい日本は何をしておるのじゃ!?


《第一次世界大戦で3700万人、第二次世界大戦では8500万人の軍属、民間人の犠牲者が推測値で出されています。真偽は不明ですがなんて愚かな行為でしょうか?》


いやいや、戦というものはそこまで殺し合わぬであろうに!!


お、信長さまの注釈があったぞ!!


《天照大神さまや世界の神々の言葉によると右左は嘘をついていないとのことだ、『今』しかこの不可逆な歴史の流れをかえる時はないと。この織田信長命を賭けての一大事業として心命をもって取り組まんとす》



おやがだざまーーーーーーー!!!!



安土桃山城は喪に服していたので、柴田勝家はさめざめと涙するのである。そして日本のため世界の安寧のために自らも働かねばならぬ!!と決意を固めるのでありました。

知らぬことを知る怖さってありますよね

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