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槍の又左一代記  作者: 依田cyber良治
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度胸試し

織田信長は。

天正10年6月2日(1582年6月21日)早朝、京都本能寺に織田信長はいた。西洋のシガーレットという煙草をふかしていた。


『右左は今夜わしが謀反に会って死ぬなどとほざいておったな!わははははは!』


側に仕える明智光秀は緊張した様子だ。


『のお、光秀よ!そなた謀反の気があるとはとても思えないのぉ!あはははは』


『御館さま、某めにはそのような野心は微塵も御座いませぬ!ははーーっ!』


明智光秀は恭しく頭を床に擦り付けていた。信長は言う。


『光秀!もうよい下がって休め!わしもそなたも働きづめじゃからに!』


『ははーーっ!』


こうして明智光秀は信長の居室をあとにした。


信長は酔っていた。それも当たり前のことだ、世界中を取りまとめる一躍を担い続けて来たからだ。誰の目にも疲れてやつれて見えた。


そして…夜はふける。


信長は手酌で酒を飲み、煙草をふかす。


『戦働きなどほとんどせぬのに!べらんめえ!刀は飾りじゃないってんだ』


酩酊した信長は西洋のベッドにばたっ!と倒れた。


『今宵わしが死ぬなどとほざきおって!うぇっぷ!』


信長は酔っていた。


ただそれだけのこと。


信長は走り続けた。


ただそれだけのこと。


信長のシガーレットの火は容赦なくベッドを掛け布団を燃やす!!


あっという間に業火につつまれる本能寺!!


それに気付いた明智光秀は脱兎のごとく本能寺本堂へと飛び込んで行く!!


『御館さまーー!どちらに!』


『御館さまーー!どちらに!』


『御館さまーー!どちらに!』



主従の間柄を超えた信望の心で明智光秀は、紅蓮の炎の中を行く!!!


織田信長の待つ黄泉の国へと。



こうして、史実本能寺の変は信長の人生を煙に巻くように幕を閉じるのであった。





酔って寝タバコが悪いのか?人の宿命、運命は決して変えられないものなのか?悩む一夜でした。

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