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槍の又左一代記  作者: 依田cyber良治
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起動

ほんとうにうまくいくのだろうか?

太陽が不安定な明滅を繰り返し始めて数週間、極めて異常な計測結果が出始めたために、評議会評議員の各国の代表やアルベルト率いる巨大なスペシャリスト集団が、意見を交わしていた。


その結果、寒冷化傾向にある地球を温めるためにほんの少し太陽炉を格納しているいくつかのゲートを起動することに決定した。


そして、アウトサイド・サン・トラベラーの建造プロジェクトのタイムテーブルが見直された。しかし…結果は5年間かかるとのことであった。


日本の季節はカレンダー通りだと秋になるのだが、今は真冬の天候で大吹雪が南九州沖縄諸島まで広がる異常な気象現象だ。


先日の巨大な太陽フレア現象による被害は復旧されていたため、この大寒波でも人的被害は出ていない。しかし、日常生活には多少の変化を生じさせていた。自宅勤務である。

実はこれは日本だけでなく世界中のハイインフラを持つ国で実施されていた。


部族的な暮らしをしている人々へは、巨大な宇宙船が必要数提供され保護されている。動植物も可能な限り保護された。まるでノアの箱船伝説の再来のような光景だった。



世界中のニュースやラジオやありとあらゆるデバイスで、サン・トラベラーの試験的運用実験が評議会の名のもとに発表された。


『現時点をもって世界中に緊急事態宣言を発し現時刻をもって、サン・トラベラーからの人工太陽炉のエネルギー照射を開始します。安全には万全をきしておりますが、念のため自宅からはくれぐれも外出などされないようお願いいたします。カウントダウンを開始します。3、2、1、ゲートオープン!』



暗雲と大空を多い尽くす雲が少しずつ切れ始めた。天使の梯子、ヤコブラダーが美しく見える、数ヶ所からの照射になるため扇状に様々に光の線が煌めく。


アルベルトは照れ笑いを浮かべていた。


『検証実験の第一プロセスは成功した!とりあえず交代で順次仮眠をとるように!』


鶴の一声で巨大なスペシャリスト集団は動き出す。




そして…。


2週間後、地球は不思議な景色を宇宙にさらしていた、太陽系の太陽の微弱な光。サン・トラベラーからの複数の光に包まれ、太陽の周期にきちんと合わせて、昼と夜。

それが、交互にやってくるのだ。

保護されていた部族や動植物も解放出来るだけの気候の回復がなされたのだ。



あとは、5年後までにアウトサイド・サントラベラーを完成させるだけとなった!果たして人類は太陽に勝てるのであろうか!?


それは、神でさえ知らない物語であった。


宇宙船地球号の完成まで5年と25日。アルベルト達のタイムテーブルが上手くいきますように。

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