正親町天皇と第二尚氏
無事に首脳会談が終えられますように。それを心から願う右左であった。
僕は自室で信長の奔放で天真爛漫な行動に対してのイライラもおさまりお茶を飲みくつろいでいた。
僕は本で読んだ第二次世界大戦末期の沖縄戦を思い返す。
ひめゆり部隊の最後なんて歴史は消し去りたい!
僕はそのためになら自制心を取っ払い最速で世界を信長さまの支配下もしくは同盟国にしたいと決意していた。
原爆投下もあの国自体の樹立を阻止したので歴史から消し去る事が出来たと思いたい。
人類調和、恒久的世界平和。
そのためならば僕は反対勢力は力でねじ伏せる覚悟が出来ている!
現在も日本の造船所で造られている新造艦や研究所で開発されている新兵器が僕たちのこの西征を力強く後押ししてくれるであろう。
そんな思案にふけっていると。
コンッコンッ
誰かが僕の自室にやって来た、誰だろうか?
『右左くーん着替えてきましたよー』
何故か上機嫌の信長であった。
『信長、陛下のところに行きましょう』
『で、あるか』
信長さまは何故かスッキリ爽やかだ。
おかしい、お灸の据え方を間違えたかも知れない。
得も言われぬ不安感に襲われる。
新しい世界に。目覚めさせちゃったかな?
コンッコンッ
僕は正親町天皇の仮御所へと到着した。
『おおちゃん、入っても大丈夫?信長と来たよ』
『はよ、ちこうちこうよれ!』
正親町天皇は退屈していたご様子で大喜びだ。
『はいはい』
『で、あるか』
『朕は退屈してたのじゃ、誰も遊んではくれぬ』
正親町天皇の表情を観察すると本当に退屈してようだ。
『おおちゃん、西征は遊びじゃありません!』
『おお!そうであったの!すまぬ、すまぬ』
『おおちゃん、信長、明日の朝に第二尚氏との会談が決まった』
『ずいぶんと仕度が早いの?』
『で、あるか』
早いというよりこれだけの大艦隊で包囲されれば無条件で開城せざるを得ないのが常であろう。
会談という外交を行うだけ、こちらは誠意を見せていると言う事になる。
『まあ、顔合わせと安全保障条約の締結だけだから、気を張らずに。なにせ、沖縄城が完成して機能していますし、一個艦隊を琉球に常駐させる、通商条約と平和条約は事実上締結されてますし、沖縄城の建設で。』
『右左はまだ怒っておるのかー?』
『嫌味です』
『朕は知らぬぞ沖縄城など、どういうことじゃ?』
かくかくしかじかと僕は、おおちゃんに説明した。
『なるほど!どおりで信長が日焼けしてるはずじゃ!外働きに励んでいると思い込んでおったわ!ずるいぞー信長、そういうときは今度から朕も誘えよ』
『心得ました陛下』
『ちょっ!ちょーーい!』
ダメな大人二人に僕はあたふたするしかなかった。
そのまま三人で食事して自室に戻り寝る。
僕は目覚めると自室に隣接してある、絶対に誰の侵入も許さない稽古場へと足を運び、型の鍛練を繰り返す。
一人稽古じゃだめだ!母さん…。
鍛錬は組手が基本だとつくづく感じる僕であった。
やはり信長の強化を口実に特訓をしよう。
稽古を終えるとシャワー室で身体を流し着替える。
僕専用に開発した軽鎧だ。
非常に動きやすく普段着にしか見えない。
いくつもの隠し武具がひそませてある。
『よし!準備OK!』
僕は信長とおおちゃんを呼び、第二尚氏の待つ首里城へと馬で向かう。
護衛に装甲車輌が随伴し中には、おおちゃんがちょっこり座っている。
エイサーの盛大なかけ声が遠くから聞こえる。
ところで?沖縄城はどこねんて?
色々考えながら首里城へと馬を進める。
『利家よ、楽しみじゃのう』
『なにが?信長?』
『琉球の料理は最高だぞ!』
『信長は何が好き?』
『ラフティに決まっておろう、あのとろけるような肉の旨さ!』
『豆腐ようは?』
『利家!あれはいかん!臭みが強くて怖くて口に運べんのじゃ!』
『ですよねー。でも食べると病み付きになりますよ』
『でも、勇気がでん!』
背後の装甲車輌からガチャリと音がして、おおちゃんが顔を出す。
『ずるいぞー二人で楽しそうにしおってからに!むきー!』
『おおちゃんは大切な身体ですから、不用意に顔を出さないでください!』
僕は装甲車輌のおおちゃんのすぐ横左手に馬を寄せる。すると!
ヒューン!
何かが猛烈な勢いで飛んできた!矢だ!僕はその矢をサッと掴み取る。
特製の甲冑を念の為着てきて良かった、これがもし毒矢であれば触れただけであの世行きになるかも知れない。
パシッ!
僕の右手には矢が握られていた!
『何奴!信長さま!おおちゃんの護衛を!おおちゃんは中に!』
僕は脱兎の如く馬から飛び降り矢の飛んできた方向へ気配を完全に消して走る!
あっという間に逃げていく男に追い付くと、男は自害をしようとする。
加賀延命流 影縛り!
僕は彼の首のツボを抜き手で点穴する!
『あーうわ、うわーあー』
殺す前に情報を得ねば、僕はさらに点穴をする。すると、男の瞳が焦点を外しゆらゆらとする。
この技は敵からの自白をさせる効果のある秘術だ。
決して隠し事はできない状態に一瞬でなるのだ。
『誰に頼まれたのか言え!』
『明の皇帝に頼まれた』
『そうか、ありがとう』
僕は点穴をもう一度する。
『アベシっ!』
男は息を引き取った。
さてさて、右手には皇帝と第二尚氏はつるんでいるのか?根掘り葉掘り聞き出さなければならない!
こうして、僕は装甲車輌のもとへ戻り矢を確認する。毒薬だった。トリカブトだろうか?
『始末してきました、あともう少しですが、油断なきよう行動を慎んでくださいね、おおちゃん』
『朕は怖くないぞ!利家と信長がいるからの!』
強がりだろうな。
信長は殺気をむんむんと出して、馬を進めている。饒舌な信長にしては無口で寡黙。
本気モードなのだろう。
得てしてその後はなにもなく僕たちは首里城を視界へおさめた。
エイサーはクライマックスを迎えていた。
そこに、両の手を大きく広げた第二尚氏が満面の笑顔で立っていた。
何も知らないのであろうか?
それともしらばっくれているだけなのだろうか?
僕はこの首脳会談に対して波乱に満ちた予感しかしないのであった。
明の皇帝!ちょっとマジ激おこプンプンだからね!
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槍の又左一代記は現在1話目から順次校正と加筆修正作業を行っております。執筆のペースが緩やかになります事をお許しくださいませ。
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依田cyber良治より
(校正二回目)【三度目の正直なるか?】




