慶次郎のかぶきぶり
本当に前田慶次郎ってかっこいいよね!
軍略においては、兵站が最も重要だと考える。
戦場に置いて後方に位置し、前線部隊への武器弾薬、食料や燃料、各必需品を供給しなければならない重要な任務だからである。各部隊との連携を取るための連絡係も兼ねている。
ここが分断されると戦況は一気に不利に傾く程の重要な責務を負っている。
僕が特注で開発させた水陸両用強襲艦。
これを陸上戦に適応させる為に、水陸両用強襲戦車に換装したものをかなりの数用意した。
後方には武器燃料等の補給車輌、ガソリン燃焼式蒸気機関車も用意して在る。
オフロードを走るので、サスペンションもバッチリで車輪もゴムのような柔軟な素材が巻かれている。
そして馬車スペシャル!サスペンションと足回りは最新式で居住性抜群!四頭引きで6人までゆったり乗れる。これも相当数。
騎馬隊、前田利家軍とロミオたち合わせて三万の部隊だ。
短期間ではあるが、ロミオたちにもライフル銃の使い方は教えてあり、全体ではないが適性のある者に持たせている。驚愕すべきは彼らの視力だった!!6~8はあるのではないかと推測している。スナイパーとしては高いポテンシャルであろう。即戦力として高いパフォーマンスを期待できると僕は感じていた。
さて行軍であるが、西海岸から東海岸までおよそ4000キロメートル。
全くもって大変な距離である。
よって馬の1日の移動距離の目安を40キロメートルに設定する事で騎馬隊は100日ほどで到着する予定だ。
途中途中でベースキャンプと石油資源開発基地も建設していき馬にも人員にも休息を与えることにしている無理は禁物だ。
飛行船部隊100隻は楕円の環状線を描くべく先行している。ガソリン燃焼式蒸気機関プロペラ機なので、時速80キロもの速度が出せる。
あれ作ったのだれだ?基本的理論は僕のだけど、応用力すごくね?どうやら空中給油まで、出来るようで時折補給船が上空を西海岸へ向かっていく。
山越え川越え谷越えて。
というか!水陸両用強襲戦車が川を越えながら橋も作っていたのが衝撃的だった!
我が開発チーム最高!
さて!西洋人さんよ!どう対応してくる?
すでに西海岸を出発してから1週間が過ぎている。
西洋人の居留地には、僕の書いた英文の宣戦布告文と降伏条件が書かれている文章が空中からばらまかれているはずだ。
普通に書いていたのだか、慶次郎が生暖かい目で僕をみていたことを思い出した。
慶次郎もいい加減変だとは感じてるだろうな。
上空からばらまいた投げ込み文章の内容は以下である。
①宣戦布告するが降伏するなら攻撃はしない。
②逃げようとすれば即座に攻撃する。
③降伏条件は無条件降伏とする。
定期的に飛行船は楕円の環状線を行く。
飛行船には空爆用の爆薬がたんまり積んである。
さて、そろそろか。
遥か彼方に居留地の姿がみえる。
そして、五頭の騎馬にまたがった西洋人の姿も。
『出迎えご苦労!私は織田軍の前田利家である!代表者は誰だ!』
カッポカッポと騎乗したやつれた姿の指揮官と見られる男が出て来た。
『なぜ我々の言葉を話せる?』
『そんな些細なことは、どうでもよい!メッセージは読んだであろうに、良くも逃げずにいたな?』
『ぐぬぬぬぬぬ、全ての船のマストを壊したのはお前たちだろう!?』
『慶次郎だ』
『誰だ!それは?』
『慶次郎!ここに!』
『ははっ!』
僕も背が高い方だが、慶次郎の方が高くスタイルが良い。
相手の外国人は胆はすわっているようだが、意外と小柄だ。慶次郎を見上げ冷や汗をかいている。
『こやつが前田慶次郎で、わしが前田利家だ。ややこしいので、これは慶次郎と呼べ』
『なるほどな、私はジョン・グランドウォーカーだ。イギリス海軍大将をしている』
『ジョンか、で。宣戦布告文と降伏条件は認めるか?』
『本国の女王に判断してもらわなければ、答えられぬ!』
『だめだ!本国には帰さぬ!生きたいか死にたいか今すぐ決めよ!』
ジョンはしばらく目を伏せたまま考える…。
そして、何を考えたか、サッと腰の銃に手を伸ばした。早抜きである。
シュッ!ボトッ…!
『ぐああああ!』ジョンは苦悩の表情をしている。
慶次郎の居合い抜きでジョンは手首から先を切り落とされたのだ。
僕は殺すべきか殺さぬべきか瞬時に判断しなければならない。
刹那悩んだ僕は持っていた紐を出して止血する。
『ジョン、お前はバカなのか?』
『はぁ、はぁ、はぁ、くっ!殺せ!』
おいおいクッコロやん!初めて生で聞いたよ!
『発言の許可を求める!』
後ろに居た四人の内の一人が歩みよる。
『かまわぬが』
『前田殿、感謝する。そして交渉中でありながら銃に手をかけた彼の無礼を謝罪する。私は海軍中将のジャック・ウェイバーだ。よろしく頼む』
『どうやら話のできる人物もいるようだな、ジャックよ、この通りジョン大将は話せぬようだ、そなたと決められるか?』
『前田殿、決めるもなにも我々の選択肢は降伏しかあるまい、後ろに見えるのは大筒だろう?あの数とやり合いたくはないな』
『よろしい!それでは捕虜にしている現地人を即時解放せよ!』
『それは、自分から投降してきたものも含めてか?』
『当たり前であろう』
『わかった、おい!大将閣下をお運びしろ!それと、無駄な血を流さぬように徹底的に武装解除するように各方面へ指示せよ!』
こうして、東海岸一帯は僕の支配下に置かれた。爽やかな東海岸の潮風が戦いの緊迫感を吹き飛ばして行く様に、織田軍と部族連合軍は今までの憤慨に対する溜飲を下げるのであった。
僕は思う。
ほとんど、慶次郎の仕事ぶりだけどね!さすが天下のかぶき者!
その後、穴太衆と金堀衆に彼らの居住地を土塁や石垣、ふかい堀で囲み収容所という陸上の出島にするのであった。ほとんど血を流すこと無く西洋列強の植民地支配戦略を噛み砕いた前田慶次郎のかぶきぶりは部族達によって永遠に語り継がれるのである。
ジョンの早抜きは素晴らしい動きでした。慶次郎の居合い抜きが一枚上手だっただけです。
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(校正二回目済み)
【三度目の正直なるか?】




