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佐々木さんの高校生活  作者: マーマレード
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部活見学その2

「何をそんなに驚いているの?」


「だって牧野さんがこんなところにいるってイメージできないよ!」


「いや、私この部活の部員だよ。」


(いやいやいやいや待て待て待て待て)

僕は自分でも驚きを隠せてないことを自覚していた


僕がパニックになっていると、牧野さんは言った。だがこの言葉で僕は何故牧野さんがこの部活に入部したのかを知り、少し平常心を取り戻すことができた。


「私がこの部活に入部したのは、お姉ちゃんがこの部活の部員だったからだよ。」


「な、なるほど...?」


僕の中の牧野さんのイメージは、いつも静かで読書が好きな女子で、英語部に所属しているというものだったので、そのイメージが少し壊れてしまった。


「あ、そうそう。優姫ちゃんのお姉ちゃんは、私たちの先輩で、1年生の時はお世話になったんだよ。あの先輩とても怖かったな〜。」


「俺なんて、ほぼ毎日怒られてたんじゃないかな〜。」


先輩たちが懐かしそうに思い出を振り返っているが、全く牧野さんの姉をイメージできない。


(世の中不思議なことがあるもんだな。)


と思っていると、急に部室の扉が開いた。


「伝統娯楽部!明後日までに部員が5人に達してないと廃部に...なる....ぞ....。」


扉を開けたのは兄貴だった。どうやら生徒会としての仕事をしにきたらしい。


「なんだ、清この部活に入部したのか。なんだかんだ言ってみんなと遊びたかったんだな〜。お兄ちゃんはいつでもお前を応援しているぞ!」


「まだ入部したわけじゃ...」


「頑張れよ清!それと5人部員がいるから、廃部はナシということで。」


兄貴は僕の話を聞かずに教室を出ていった。


(あれ...?もしかして僕、この部活に入部したことになってる...?)

僕は少しの間、放心状態となっていた。


「じゃあこれで部員も5人となったし、今年も頑張っていくぞー!」


「「おーっ!!!」」


「じゃあ、今日はこれで部活終わり!解散だよ!」


みんなが片付けを終え、部室を退出するころになりようやく我に返った。


(仕方ないな...この部活に入部するか...)


と思い、帰る準備をしていると


「そういえば君、さっき伝統娯楽部のこと"こんなところ"って言ったよね?」


「え、言ってないです...よ...?」


そういえば、牧野さんがこの部室にいて、驚いたときに言ったな。ということを思い出した。


「あれ、どういう意味か詳しく教えてもらえないかな〜?」


ヤバい。顔は笑っているが、確実に怒っている。


(まともな言い訳を考えないとな...)

などと思っている間に、部長の説教が始まり、家に着いたのは、部活が終わって2時間後のことだった。



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