部活見学その1
先輩について行っていると、いつの間にか部室に着いていた。ちなみにこの学校は、HR棟と特別教室と体育館の3つに分かれている。伝統娯楽部の部室はHR棟の3階にある少人数教室Cだった。部室に入ると女子二人と男子一人がいた。
「君は入部希望の子かな?俺たちは人数が少ないから大歓迎だよ!ちなみに俺の名前は田中広樹だよ!」
「すいません。まだこの部活に入るか決めてないです。」
「そうか...」
田中先輩は伝統娯楽部の副部長らしい。気持ちの上下が激しそうな人だなというのが、僕の第一印象だ。
「部長!またレポートを書いてないらしいですね!」
おいおい部長。レポートぐらいちゃんとやれよ。こんな人が部長で大丈夫なのか?
「いや〜レポート書こうと思ったんだけど、晩ごはん食べた後眠くなっちゃって〜ははは。」
「"ははは"じゃないですよ!その言い訳多分5回くらい聞いてますよ!早く書いてください!」
「ごめんごめん。」
本当にこの部活は大丈夫なんだろうか?
「あ!今私に怒っていたのが、2年生の野村だ。」
「どうも〜。私は野村柚子といいます。これからよろしくね!」
「あっ。ああ。よろしくです...。」
(まだ部活に入るつもりはないんだよな...。)
「ちなみに伝統娯楽部は、昔の遊びを楽しむ部活だよ。」
「昔の遊びということは、ベーゴマとかかるたとかですか?」
「まあ、そんな感じだね。せっかく部員がいるんだし一緒にやってみる?」
「いいんですか?」
「いいよいいよ。部活見学で何もしないというのはつまらないからね。」
(じゃあお言葉に甘えて)
と思いベーゴマをしようと思った瞬間、もう一人いた女子生徒の顔を見るとそこには、新入生代表だった牧野がいた。
「なんで牧野さんがいるんだ!?」