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欲望の日常  作者: 枕元のうさぎ
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こんばんは、無欲です。

学生なので更新遅いです。

こんなん需要あるかなぁ…。

欲望の日常。

略して欲情「やめて」


―――


ここは、欲望の世。

さまざまな欲望たちが集まる、非日常的なセカイ。

欲望たちのちょっとズレた日常を、覗いて見ませんか?


―――


トントントントントントン。

扉を連打する音が響く。


「夜分遅くにおーーーーーーーーーーーーいっ」


柔らかな男の声と連打音が冬の夜空に溶け込み踊っている。

しばらくして、ぎいいっと音を立てて、分厚い木の扉が開いた。


「……んあー?誰だこんな真夜中に……あぁ、なんだ、性欲か」


扉を連打していた青年よりも少し小さいくらいの男が、ぼりぼりと頭を掻きながらぶっきらぼうに返事をし、扉を閉めて出てきた。


「色欲だよっ。生欲とかぶって紛らわしいんだからやめてよねっ」


「……あぁ。へいへい。んで?何の用だよ」


男に言われ、色欲はきょとんと首をかしげた。


「んへ?……あ、あああそうそうっ、今日また新しい欲が生まれるんだってっ」


色欲の慌てぶりに、今度は男が首をかしげる。


「……はぁ。で?」


「で?って……うわあ……」


色欲はまた反対の方向に首をかしげ直し、数秒見つめた後、男の言葉に冷ややかな視線を向けている。


「何だそのドン引いた目は」


「いやだってっ……ねえ?睡眠欲っ」


色欲の問いに答えるようにすぐ後ろにある雪だるまがもぞもぞと動いた。そして、雪だるまが横に振動し、全ての雪が払い落ちると、背の低い少年が雪だるまの中からぽわあっと出てきて、雪の上に立ったままこっくりこっくりと首を上下させている。


「ん……むふう……んぬう?…………あぁ…………うんぅ……」


一応の返事をしたつもりなのか、少年は完全に停止し、またすやぁ…と眠りについてしまった。


こいつ、また立ったまま寝てて雪に埋もれたんだろうな。

男は心の中でため息をついた。


ここは欲望たちの世界だが、四季はあり、雪も降るし花も散る。人間界とそんなに変わらない。欲望という感情が人間と同じように話したりすることを除けば、だが。


「いたのか睡眠欲」


「僕の後ろにずっとねっ。ってそんなことよりっ、新しい欲だよっ!?見ないなんて損だよっねえっ。どうするの!?かわいい女の子やぐらまーな女性だったらどうするの!?ねえっ見たいでしょ会いたいでしょおさわりしたいでしょR18なことしたいでしょっ!!」


「……」


男は少し考えたあと


「お前だけだよこの変態が」


無表情で言い放った。


「〜〜〜っ、この無欲がっ!」


「それが俺の名前だからな」


「くっ…… 」


無欲に何も言い返すことが出来ずぷりぷりと怒る色欲。眠る睡眠欲。ここまで真顔の無欲。


しかし、


「……ふっふっふぅ」


色欲が突然勝ち誇ったように笑いだした。


「……ヤケ」


「ちがうわ!」


無欲の言葉を遮り即答する。


「僕は誘いに来たのではない……そうっ、今回も前回と同じく強制参加なのさぁっ!!」


腰に手を当て、片手で空を指さす色欲。その指の示す先にはおもちゃの汽車が浮いている。


「……前回……あぁ、知識欲が来た時か」


「なんだ覚えてんじゃん。あの子可愛いよねっ性格に難ありだけどっ。よし、今回も汽車に乗って、ほらじゃあ急いでいくよっ生まれちゃう!」


「へいへい」


色欲の言う通りに汽車に乗り、雪だるまになりつつある睡眠欲も乗せ、三人は汽笛とともに……汽笛と、ともに……


「あー…そういやどこに行きゃいいんだ?」


「……えーっとっ」


「……むぅ……ふわぁ……ぶつよくさまの……もり……」


「あっ、そうそうそこだよそこ」


「……忘れ」


「てないからっ。断じてないからっ。ほらいけ汽車あ!!」


三人は汽笛とともに物欲様の森を目指し、夜空をかけるのであった。

物欲様の性別を予想してから次話をお楽しみください。

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