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未来予想Zu

SIN恐怖のお屋敷

作者: さきら天悟

リーン、リーン、リーン・・・

公衆電話?

「はい、堀井です」


彼女は顔をしかめた。


「堀井ですけど」


少し大きな声で言った。

彼女は首を振り、スマホをテーブルに置いた。

無言電話だった。

昨日も2回あった。

今日も1時間前にあったばかりだ。

カーテンに手をかけた。

外に誰かいそうな気がする。

でも、手を放した。

もし、外を覗いて誰かいたら、

本当にどうしていいか分からない。

友達に相談しようとしたが、

ラインも既読されず、電話をかけても出なかった。


「明日、どうしようかな・・・」


友達4人で遊園地に行く予定だ。

それで今話題のお化け屋敷も予約した。

謎解きの要素もあり、入ってから出るまで1時間くらいかかるらしい。

彼女はそっと自分の肩を抱きしめた。


「家でも気味が悪いのに・・・

お化け屋敷って・・・」


明日、ドタキャンしようか迷っていた。

でも、断れない。

親友の里香が気になる男性を誘っていた。

里香が許してくれそうにもなかった。


ソファにもたれ掛かる。

瞼が重い。

最近、無言電話のせいでよく眠れていなかった。

彼女の意識が遠のいた。


リーン、リーン、リーン・・・

電話が鳴った。

彼女は飛び起きた。

そして電話を見つめる。

ベッドに入り、布団で耳を覆った。


結局、彼女は連絡もせず、ドタキャンした。






遊園地は込み合っていた。

夏休み最後の終末、家族連れや学生でいっぱいだった。

でも、話題のお化け屋敷に入って行く人は少なかった。

完全予約制のため、断られて引き返す客は多かった。

でも、実はこの最新のお化け屋敷は今日も予約でいっぱいだった。

しかし、入場した客は予約の3分の1程度だった。

なぜか、みんな、来ないのだ。

いや、そこが最新式のお化け屋敷だった。

スマホと連動しているお化け屋敷なのだ。

予約時のアプリをダウンロードする。

すると自宅が恐怖のお化け屋敷になる。

無言電話がかかって来て。

設定時間になると無言電話をかけ、

友人との連絡を遮断するのだ。

そして、入場時間を過ぎるとタネ明かしする。

3日前から自宅でもお化け屋敷気分を味わえるのだ。





行けなかった人が怒るだろうって?


行けなかった人は次回入場料が50%オフになる。



そんなシステム、SNSですぐばれるだろうって?


いや、それをやったら真の恐怖を味わることになる。

予約時に入場者と秘密保持契約を個々に結ぶ。

破った時の賠償額は数百万円になる。



SNSに書き込んでも、ばれないだろうって?


スマホのアプリが監視している。

技術的には簡単なことだ。

関係ないが、無料アプリにはいろいろ仕込まれているので、注意した方がいい。

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