表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

暗黒にまみえる背徳の司祭 共通②


「ただいま」

「ああ……おかえり聖愛」


兄は暗い顔をしている。


「おかえり、荷物をおいたらすぐにリビングへ来てくれ。話があるんだ」


なにやら重たい空気が辺りに漂う。


「話って?」

「お前は養女なんだ」

「え!?」


――私が本当の娘ではない?


今までそんなそぶりはなく普通の家族として暮らしてきたのに、鈍器で頭を殴られたかのような衝撃を受けた。


「そして本当の父親が生きていて、お前にはその人が決めた婚約者がいる」

「婚約者……私と結婚する?」


気がつけば私は家を飛び出していた。


「はー……はぁ……」


体力が限界になり、きれいな建物の庭に私は倒れこむ。


「大丈夫ですか?」


目が覚めると薄い茶の髪をした神父が私の顔を覗き込んで心配していた。


「はい、ごめんなさい」

「急に立っては……」


起き上がろうとすると、制される。


「でも、早く帰らないと……」


――帰ったら生まれた時から家族のフリをしていた他人がいて知らない相手との結婚が待っている。


「荷物を持たず走っていたところを見ると、家出の類いではなく何か危険から逃げてきたのですか?」


そう思うと気は重くなり、立ち上がりたくない。


「実は……」


出会って間もない相手だが彼は神父だから、こんなことでも吐露出来る気持ちになってくる。


「では暫く、ここで祈ってみてはどうですか?」


なんか、つい最近見かけた金髪の男もそんなこと言っていた。


困った時は無駄だとしても祈る事しかできないものだなあ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ