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死への時間 共通シナリオ①
―――ある日とつぜん、それは起こった。
いや、前触れはきっとあったのだろう。
私は赤ん坊のときに城下街マーベルのとある家の前に捨てられていたらしい。
愛の天使マーベルの降臨したとされる街では、神の慈悲の賜物か皆優しく温かい雰囲気だ。
「やっぱり噂は本当だったんだよファッソ!!」
昨日の夕方から義理の弟が行方不明になり、私は考古学者の養父フレデリックの弟子である二つ上の幼馴染ファッソと共に噂の場所へやってきた。
一週間前に広場に巨大な塔が建った。という話をきいていたがファッソは半信半疑だった。
「神様のところに行けるんじゃないかしら?」
「向こうの世界の伝承では神の世界に行こうと塔を建設した人間達の言語を狂わせて塔が建たなかったらしいけどな」