私はエクソシスト 共通シナリオ①
「ここがジャポナスね…」
私はエクソシストのヘルディーナ。
ある少年が封印を解除して、逃げたという悪魔を祓うべく、異国へ降り立った。
「悪魔…今日こそ祓うわ!」
悪魔祓いは、本来は複数人で行うものだが、ワケあって単独で活動している。
「先輩!?」
住宅街を見回っていると、向こうのアパートに、公的エクソシスト時代の先輩に、よく似た人物が入っていった。
上司とモメて、教団を飛び出した私はもうはぐれエクソシストなのだ。
それから兄にすら連絡をとっていない。
三年になる今更仲間には頼れない。
「ねえ、美味しそうだね」
――――嫌な気配。
これは悪魔とは違う何かだ。
「エクソシストもシスターもたいして変わらないよね」
にこり青年が微笑むと、鋭いキバが見えた。
「ヴァンパイア!!」
なぜ悪魔でなくヴァンパイアがここにいるのだ。
「この国の文化は珍しいからね
俺達はついつい来てしまうんだ」
「ふーん」
「君、弱そうだけど戦う?」
「残念ね、私は悪魔を祓うために来たの
ヴァンパイアは専門外よ!!」
「震えているよ」
「ま…まさか」
実体を持たぬ神が炎や光より造りし天使が堕天して成る悪魔には、実体がないが、ヴァンパイアは人間から成るもので、実体がある。
魔物の腕力に対して、肉体面をまったく鍛えていない女の私が、敵うわけもない。
ここは逃げるが勝ちだ。