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ぶった斬るっ!!!  作者: メクラチビゴミムシ
最上第二高等学校編
2/4

part.01

 目の前の現状を言葉として現すなら、地獄以外の表現が思い付かないほどの惨劇が教室で行われていた


 すでに何人かの武蔵と仲が良かったクラスメイトすらも言葉を持たない肉塊へと変わっていた


「おい…あの化物はなんなんだ?」


 隼人は目の前で起こる惨劇が理解できずに顔をひきつらせながら武蔵に問う


「そんなのなんでも良いから早く逃げよっ!?」


 隼人の隣にいる蓮は青ざめた表情で隼人と武藏の手を引っ張りながら叫ぶ


「なんで扉が開かないんだよぉぉおおお!」


「にっ…逃げるってどこからよ?」


 扉の前には10人以上のクラスメイトが溢れかえり、扉を叩いたりしながら絶望にひれ伏していた


 惨劇の原因である小鬼たちは、扉のまえに固まるクラスメイトたちを手に持った鉈で物言わぬ肉塊へと変えていく


「なっ…みんな! 扉のまえに固まるんじゃね! 化物に狙われてるぞ!!!」


 武藏の一声で扉のまえにいたクラスメイトたちは悲鳴をあげながらバラバラに散る


「なんなよ! うちに帰してよ!!!」


「くそぉ! こうなったら!」


 クラスメイトの一人が椅子をもって小鬼へと果敢にも挑んでいく


 小鬼へと降り下ろされた椅子はあっけなく砕け散り、お返しと云わんばかりに鉈がクラスメイトの横っ腹にめり込んでいく


ブチッブチブチブチ


ボトッ


 肉が圧倒的な暴力で引き千切られる音

 元人間だった物が真っ二つにされて支えの失った上半身が落ち、下半身がゆっくりと膝から崩れる音が、教室を支配する


 クラスメイトは絶望に染まりきった表情のまま泣き叫び蜘蛛の子を散らすように移動する


「武蔵…蓮を頼む」


「なっ!? 隼人っ! お前、まさかっ!」


「誰かがやんなきゃ、かわんねーんだよ」


 隼人は砕け散ったことにより棒状の刃物へと変わった椅子の脚を地面から拾い上げて小鬼へと駆け抜ける


 小鬼は鉈を隼人へ向けて横一線に振り抜くことで迎撃するが、隼人は慎重に小鬼の攻撃を観察しながらしゃがみこむことで鉈をかわす。そして、その勢いのまま下から上へと椅子の脚を小鬼の顎へ目掛けて突き刺した


 椅子の脚は尖端が微かに尖っていたらしく、抵抗もなく小鬼の顎へと吸い込まれていき小鬼の頭の天辺から椅子の脚の尖端が飛び出す


「殺せる…この化物は殺せるぞ!」


 隼人は小鬼を殺せたことに歓喜するが、もう一匹の小鬼が隼人の後ろへと回り込んでいることに隼人は気づいていなかった


「隼人っ!後ろだっ!」


 武藏の呼び声も虚しく、小鬼の鉈は隼人の足を叩き斬る。


「グワァァアアアアア!」


 隼人の足が皮を残して、斬られてしまい。既に足として支えがなくなってしまった隼人はその場に倒れ込む


「隼人っ!」


 蓮は、足が叩き斬られた隼人の元へと駆け抜けて涙を流しながら隼人の手を握る


「ったく、来るなよな?あぶねーぞ?」


「いいの…私、隼人と離れるほうが怖いから」


「そっか…本当に蓮は寂しがり屋だなぁ…。 俺さ…お前のこと好きだったんだぜ?」


「フフっ、知ってたよ?私もあなたのことが大好きでした。でも…もっと早く言ってほしかったな」


「ハハハッ…確かにな。 ごめんな…」


 小鬼は、目の前でくっつき合う隼人と蓮にトドメをさすように大きく鉈をふりかぶる


 涙を流しながら笑う二人は手を握りながら抱き合うようにして、この世を去った。


「隼人…蓮…嘘だろ!? 嘘だって言ってくれよぉぉぉおおおおおおおお!」


 武藏は二人がこの世を去る最後の一瞬まで動けなかった足を思いっきり自分で叩く


 周りを見ると小鬼たちも二匹になったとは云え、30人以上いたクラスメイトたちは今や武蔵以外には五人しか残って居ないことに気づく


「きゃっ!」


 武藏の視界に入ったのは、今にも襲われそうな麻奈美の声だった


 麻奈美ちゃん!麻奈美ちゃんだけは…絶対に守って見せる!


 そう思った時には、武藏の身体は勝手に動いていた。隼人に殺された小鬼が持っていた鉈を地面から持ち上げて瞬時に麻奈美を襲おうとする小鬼へ投擲する


 鉈は綺麗な円を幾つも描くように宙で周り麻奈美を襲おうとしていた小鬼の眉間へと突き刺さる


 武蔵は小鬼の絶命を見届けると共にもう一匹の小鬼へと視線を向ける。小鬼は倒れたクラスメイトに馬乗りになり、とどめの一撃を加えていた


 武蔵と小鬼の視線が交わる。


 互いの命を奪い合う絶好の距離をはかりあう二人はゆっくりと距離をつめながら最後の時を待つ


 小鬼は痺れをきらしたのか鉈を持った右手を掲げて武蔵へと駆ける。武蔵は構えを解くことなく小鬼を待つ


 交わう二人


 小鬼の突撃を武蔵は捉えられており、武蔵の腕は吸い込まれるかの如く小鬼の右肩へ入っていく。小鬼は武蔵の動きなど関係なく鉈を降り下ろすが武蔵の腕に邪魔されて思うように降り下ろせない


 そのまま武蔵は小鬼の鉈を難なくかわして、関節技を決めると小鬼は金城り声の叫びをあげながら鉈を手放す


 武蔵は小鬼を後方へと投げ飛ばし、手放された鉈を地面へとつくまえに拾い上げて逆手持ちのまま小鬼の首へと横一線に振り抜く


 そのまま鉈は背骨にとめられたが、小鬼の首半分を斬り裂き。斬り裂かれた部分から盛大に緑色の液体を撒き散らしながら武蔵の顔を緑色の体液で汚した


                    next

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