これからのこと
「ズッチーは、どっち?」
マコトが笑顔で訪ねてくる。
柚子は答えられなかった。
意識がはっきりしてきた分、
腹部に鈍い痛みが走っている。
「どっ、、、ち?」
話そうとすると、
鋭い痛みが襲ってくる。
そんな柚子を見ていたマコトは、
柚子に近づき、髪を引っ張り、
柚子を無理やり立たせた。
「イッ、、ッ、、、」
声にならない激痛が柚子の身体をなでる。
そんな柚子にお構いなしにマコトは。
「あ、これ、どくだね!とるよ」
「ぇ、、ド、、ク?」
「うん、いくよー、せーのっ!」
『ブジュ』
マコトが柚子の腹部に刺さった針を、
引き抜いた。
「あああああ!!!!」
「がまんしてね~
もっかいいくよー、ほいっ」
『ビジュ』
「ああああ!!!、あ、、、、、」
あまりの激痛に柚子の意識が飛ぶ。
『ブジュ』
『ヒブジュ』
『グチュ』
「おっけー、たくさんささっていたねー、
あれ?ズッチー!ズッチー!おーい」
「っっつ、、、あ、、ハア、ア」
柚子の意識が回復する。
「でね?、ズッチーはどっち、かなって、」
「どっ、、、ち、て何、です、か?」
「にんげん?、ではないよねー、敵?」
「わ、、たし、、にんげ、ん、、です」
「いやー、おなか、なおっているよね?」
「お、、な、か?」
柚子が自分の腹部を見ると、
致命傷であったはずの傷が治っていた。
「えっ、、なんで、、?」
「うーん、と、ほんとに、しらない?
えーとね、ズッチー、感染してるよ」
「かん、、せん?」
そう答えながらも、柚子は何が起きたのか、
理解しつつあった。
「うん!感染、しっているよねー、
さっきのはりかな?ちょっと、おもっていたのとちがうけど、、、うん、」
「かんせん、私が、、」
「そうだよー、ふつうのにんげんが、
あれで、いきているわけないよー」
「い、いつですか?」
「たぶん、アイツの針からかなー?」
マコトは化け物の死骸を指さした。
「ま、、マコトさんは?」
「マコトー?マコトはちょっとねー、
まえからだねー」
「・・・・・」
柚子はどうすればいいのか、
分からなくなった。
そんな柚子を見てマコトは。
「ズッチーは、どうしたい?
いっしょに、にげちゃおっか?
マコト、ズッチーのこと好きだから、
何でもしてあげられるよー、
たとえばー、しにたい?とかも、」
「私は、、、」
柚子は少し考えて、答えた。