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7/10

違和感



  「はい、ドーーーーン!!!」


  化け物が突如、横にふっとんだ。



  「いぇーーーい」



  視界の隅からマコトがすごい勢いで飛んできて、

 そのまま、3mはあろう、

 その化け物を蹴り飛ばした。



  「ズッチー、ごめんねー、

 さすがに、やばくてさぁ」



  なんて軽い口調でニコニコしている。



  「あれぇ~?ズッチー?だいじょうぶ?」



  マコトがしゃがみながら覗き込んでくる。



  「うーん、ううん、う~ん」



  マコトは首をかしげながら不思議そうに唸る。



  「あや!」

 突如、マコトは驚いた顔をして、

 その場から飛び上がった。



   その瞬間、

  『バシュ!! ガガガガガ』


  さっきまでマコトがいた場所に、

  太く黒い針が飛んできて、地面にささる。


  

  どうやら、

 その針は化け物の方から飛んできたようだ。

 化け物の背に生えた長い毛の隙間から、

 黒い骨が突き出している。 背筋と、

 肉が腐ったガスで骨を飛ばしているようだ。



  ソイツが起き上がり、

 マコトの方を見て吠えた。



  《アアアア!!!!ゲギャゲギャゲギャ‼》

  『ダダダダダダダダダ」


  

  化け物は激しく怒り、

 胸を叩いて、ドラミングをした。

 化け物の飛び出た肋骨が軋み、水疱が破れ、

 中から赤黒い液がビチャビチャと噴き出す。



  「ありゃりゃのりゃ」



  マコトはこんな時でも能天気だ。



  そして、

 マコトは化け物よりも、

 柚子を不思議そうに見ている。


 

  依然として、柚子は動けない。

 しかし、不思議と視界ははっきりとしていた。



  「んんんん?、、、まあ、いっか」



  そう言ったマコトは再び化け物に向きなおす。



  《亜亜亜アアアアアアアアアアアアア!!!!》



  先に動いたのは化け物であるように見えた。

 ソイツは叫びながら、太い足と腕を後ろにおくり、

 前方にむかって走り出した。



  巨大な体躯が、信じられないような速さで、

 地面を響かせマコトに迫り、飛び上がった。


  

  「マ、、ト、、サン、、」



  柚子はかすれた声でマコトの名前を呼んだ。



  だが、マコトの姿はそこには無かった。



  化け物が動くよりも早く、

 正確には、()()()()()()()()

 素早く動き、地面に落ちていた小銃を拾った。

 そして。


  『ズババババババババババン!!』

  

  マコトの小銃から放たれた弾丸が化け物の

 胸を正確にとらえた。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 弾丸が吸い込まれる。


  《アギャギャギャヤヤヤヤ!!!!》

  『ズザザザザザザザ』


  化け物は鼓膜が破れるような音で叫び、

 苦痛を浮かべ、

 前方に走った勢いのまま滑り倒れる。


  そして。


  「うー!、よぉーいっしょ!!」

  『ズバン!!!』


  化け物が倒れるのと同時に、

 マコトがソイツの顔に激しい蹴りを入れた。



  またしても、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 正確な蹴りであった。



  マコトの信じられないような威力の蹴りが、

 化け物の首を一撃で捥ぎ取った。



  ちぎれた首の断面から赤黒い液を噴き出し、

 化け物は沈黙したのであった。

 

 

  そして。

 マコトは柚子の方を向き、


  「うん、で、あなたは何なのかな?」


  柚子は、自分の視界と意識が戻りつつあること。

 そして、

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

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