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バッドエンド

完全処女作

初めて、ライトノベルを書きます。


これまで、小説を

ノートの隅にすら書いたことはありません。


私事の練習用です。


それでも見てくれたら嬉しいです。

感想意見も大歓迎です。


面白くないのであれば、

どこが「つまらない」

のかも教えてくれたら助かります。


それでは、よろしくお願いします。

  最悪だった。



 「死ぬのが怖い」ただそれだけ



  それだけを思って生きてきた。



  彼女は泥に顔を埋めて最悪な日を呪った。



  温かい液が土と混じり、黒く広がる。



  自分の体積よりも、

 はるかに多いように感じる黒は、

 地面に倒れた彼女を温める。



  しかし、彼女は自分の身体が、

 その温かい黒に包まれるほどに、

 冷たく、そして自分自身を遠く感じていた。



  視界が細く遠く感じる中で、

 彼女は死んでいく恐怖を覚えた。




――――――――――――――――――――――






     〜数時間前〜





  彼女は最悪の気分だった。



 重々しい音をたてながら、

 荒れた道を進む装甲車の乗り心地は、

 お世辞にも [少し揺れる程度] 

 なんて言えない。



  彼女、つまり、柚子(ゆず)は、

 装甲車の薄暗い後部で、

 朝に無理やり飲み込んだモノを、

 吐き出さないように、必死に堪えていた。



  「うっ..ぇ」


  もちろん、

 吐かないように最大限の努力はしているが、

 嗚咽が漏れ出てしまう。



  「チッ...きたねぇな」



  どこからともない罵倒を受ける。



  「ご...ごめんなさぃ...」



  反射的に謝ってしまうが、

  誰に謝ったかもわからない。

  そもそも、声が小さすぎた。



  柚子はますます下を見るしかなくなった。



  車両後部の薄暗いスペースには、

 小汚い軍服をきた人間、

 8名ほどがギュウギュウに押し込められ、

 それぞれが壁を背に体育座りをしている。



  装甲車と言っても、

 軽トラックの荷台の上部と側面に、

 薄い鉄の板を貼った程度。

 柚子はその荷台に無理やり乗っていた。



  つまり、乗り心地は最悪。



  柚子にとっては人生2度目の

 最悪記念日なのである。



  「おねーさん、だいじょーぶ?」



  柚子は不意に声をかけられて、

 横を見る。



  「あっ、、あ、はぃ、大丈夫です。」



  柚子は何とかそう答えるが、

 あまりにもビックリしてしまい、動けない。



  柚子の隣に座っていたのは女の子であった。



  肩までの黒いショートヘアが似合う

 向日葵のような笑顔の女の子。



  黒くて大きい丸い目が、

 柚子を不思議そうに見つめている。



  「へんなんだー、

 下見るから酔うんだよ?知らない?」



  そう言って彼女は面白そうに笑顔を見せる。

 心配しているのか、

 面白がっているのかわからない。



  柚子は、こんな可愛い子が隣にいたことを

 知らなかった。



  1時間ほど前、突然の招集で

 車両に無理やり積み込まれ、

 訳もわからないまま憂鬱な気分で、

 下ばかり見ていたからである。



  ただし、たまたま、

 下ばかり見ていたわけではない。

 柚子にとっては下を見て、

 能無しの役立たずを演じることが

 処世術であるのだ。



  それも、演じる必要も無く、

 役立たずの柚子にとっては、造作もないこと。

 唯一の特技と言ってもいいかもしれない。



  「ご、ごめんなさぃ、、」



  柚子は下を見て謝る。

 こうなれば大抵の相手はもう干渉して来ない。

 あとは時間が解決してくれる。



  ただ、今回の相手は手強かった。



  「マコトはね、マコトって名前!

 おねーさんは?」



  無邪気そうな笑顔を見せながら、

 顔をグイグイ近づけてくる。



  その笑顔に押され、

 柚子は体育座りの腕に収めた顔から、

 少し目を覗かせ



  「ゆ、、ゆ柚子です、、、」



  力なく返してしまった。

 この場合、自己紹介を返さない方が難しく、

 そんな強い意志は柚子に無かったからだ。



  そう思わせるほど、

 マコトの無邪気な笑顔と勢いが、

 柚子にとって強く感じられた。












  これが柚子とマコトの出会い。



  この最低最悪の出会いが無ければ、

 彼女が死ぬこともなかったかもしれない。



  世界が滅ぶことも無かったかもしれない。



  ただ、出会わなければ、

 生きることも無かっただろう。



  そして10年前の地獄


  生きることが、ここが、地獄であるならば、

 死んだ後は何処に行くのか、

 怖くて死ぬこともままならない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 壮大な物語になりそうな感じですね [気になる点] ただし、たまま、 下ばかり見ていたわけではない。 ↑ たままとは?
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