プロローグ
一口のコーラから始まったSFポンコツ冒険譚。楽しんで頂ければ光栄です。
遠き昔。この世界がまだ星のない空と、石の塔と、朽ちた砂しかなかった頃に二柱の神が降り立った。
白き神【デウス】と、黒き神【ファデス】
二柱の神はどちらが世界を擁するか、どちらがより正しき神であるかと七日七晩に渡って激しくぶつかり合い、戦いを制したのは白き神だった。
白き神は三日かけて世界の礎を築き、その身を裂いて世界に生命の種【イリアステル】を撒いた。生命の種は地に触れると共に芽吹き、草花、虫、獣、そして白き神に似た白き子【エルシート】へと姿を変えた。
新しき世界の誕生を見届けた白き神は大樹【セフィロト】へと姿を変え、永き眠りに就いた。
だが、黒き神も命尽きる前に白き神の子らを滅ぼすべく、その身から黒き子を生んだ。黒き神から生まれた黒き子【ファンタズマ】は白き神の子らを憎み、彼らを襲って肉を食らった。
凶暴で力の強い黒き神の子らに脅かされる白き神の子らは、大樹に祈りを捧げた。
祈りを聞いた白き神は長き眠りから覚め、我が子らを救うべく大樹から10人の大天使【セフィラ】を生んだ。
白き光を身にまとった大天使は全てのエルシートに神の力を分け与えた。
眷能【ギフト】。白き神の子らに与えられた、神の力の一欠片。その力でエルシートはファンタズマを退け、黒き神の子らを昏き大地の果てへと追いやった。
ファンタズマに勝利したエルシートは大樹の祝福が満ちる白明の丘に郷を造り、白き神の使い大天使に見守られながら長く続く平和な時代を築いた────……
それから、幾千の時が過ぎた日。
天まで届く大樹が見守る世界【デウスフィア】で、白き神の子らの末裔【エト族】は暮らしている。
幾百を越える多様な獣、時と共に種と郷を分かった数多の亜種族、白き神が授けた幾重もの祝福……
そして、遠き昔から遺る石の塔、【遺跡】から得た旧き恩恵と共に。
────我らが子らへ。我らの星と、願いを託す。
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わちゃわちゃしたお話になりますが、よろしくお願い致します!